5位タイ以下の2つ目のグループは、脇役でキャリアを積んできた30歳前後の俳優だ。この数年、高橋一生、田中圭、中村倫也など脇役を経て、ブレイクするケースが相次いでいるが、2021年もその注目株が複数現れている。

山田裕貴は3期連続でゴールデンタイム

 その筆頭の一人が山田裕貴(31)だ。彼は1月期に『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』(フジテレビ系)、4月期に『特捜9 season4』(テレビ朝日系)、7月期には『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)と3期連続でゴールデンタイムの連ドラに出演。

 さらに1月期はNHK「よるドラ」枠の『ここは今から倫理です。』で主演を務めるなど、まさに“見ない週はない”ほどの精力的な活動を見せた。加えて、山田は大ヒット作『リベンジャーズ』など、映画でも存在感を見せている。

 12月27日に放送されたスペシャルドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』(フジテレビ系)では、志村けん役を演じ、こちらも高評価。お茶の間への浸透度もさらに高まっており、2022年はさらなる活躍が予想される。

 柳楽優弥(31)、鈴木伸之(29)、磯村勇斗(29)らもこの枠の注目俳優といっていいだろう。

 柳楽は2020年頃まで助演が多かったが、2021年は主役クラスへジャンプアップ。ドラマは『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系)で7年ぶりに連ドラ主演を果たし、映画では『HOKUSAI』やNetflixにて配信の『浅草キッド』など実に4作で主演を務めている。

 鈴木はドラマが5作、映画が2作、磯村はドラマが9作、映画が4作に出演。鈴木は深夜ドラマ『お茶にごす。』(テレビ東京系)で、磯村はWOWOWオリジナルドラマ『演じ屋』で、それぞれ連ドラ初主演を達成しており、ともに2022年はさらに飛躍しそうだ。

 このほか、ドラマ『SUPER RICH』(フジテレビ系)で『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系、通称「チェリまほ」)以来の再共演をした赤楚衛二(27)と町田啓太(31)や、10月期のドラマ『最愛』(TBS系)で本格的なブレイクを果たしたためランキング外となった松下洸平(34)なども注目の存在と言えるだろう。

(左から)松下洸平、赤楚衛二、町田啓太
(左から)松下洸平、赤楚衛二、町田啓太

岡田健史、眞栄田郷敦ら20代の若手俳優も活躍

 注目俳優の3つ目のグループは、ずばり若手だ。25歳前後、さらにはもっと若い俳優の活躍も目を引いた。

 22歳の岡田健史は、ドラマでは『青天を衝け』『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)『桜の塔』(テレビ朝日系)、映画では『劇場版 奥様は、取り扱い注意』『そして、バトンは渡された』と、話題のヒット作に立て続けに出演。

 所属事務所との所属契約解除を求める騒動もあったが、2022年には阿部サダヲとのW主演映画『死刑にいたる病』(22年5月公開)が控えるなど、その勢いはとどまるところを知らない。

岡田健史
岡田健史

 この年代ではジャニーズ事務所の松村北斗(26)と杉野遥亮(26)、さらに岡田より若い21歳の眞栄田郷敦が、いずれも人気ドラマでヒロインの相手役を務めてブレイク。今後の飛躍が期待される。

 ちなみに今回の調査で上位に入った吉沢、北村、山田、鈴木、磯村、間宮祥太朗(27)、杉野、眞栄田は、いずれも映画『東京リベンジャーズ』の出演者。2021年の若手男性俳優シーンにおいて、『東京リベンジャーズ』は最も重要な作品であったといえそうだ。

映画『東京リベンジャーズ』(公式サイトより)(C)2020『東京リベンジャーズ』製作委員会
映画『東京リベンジャーズ』(公式サイトより)(C)2020『東京リベンジャーズ』製作委員会