「故人には悪いけど、あんなことしてたら、ろくな死に方せんと思うとったよ」

 近所の住民男性は、意味深な言葉を口にした─。

 昨年12月1日朝7時ごろ、大阪市生野区の川崎勝哉さん(82)が3階建て自宅の2階にあるベッドの近くで血だらけで倒れている姿を知人が発見。119番通報するも、すでに手遅れだった。川崎さんの妻は3階に寝ていたが、気づかなかったようだ。

家に押し入ってハンマーで撲殺

   大阪府警が生野署に捜査本部を設置。捜査を続けた結果、1月19日に大阪府八尾市の解体工事会社を営む請川正和容疑者(44)、その妻の左稀容疑者(23)、大阪市生野区の建設作業員・野木俊夫容疑者(58)の3人を強盗殺人の疑いで逮捕した。警察の取り調べに対して正和容疑者は、

「ハンマーで頭や顔を複数回、殴って殺した。会社の経営がうまくいっていなかったため、金を奪おうと思ったが見つからなかった」

 などと供述。

「正和容疑者は自宅1階で川崎さんの妻が切り盛りしている居酒屋に何度か飲みに行っており、資産家である川崎さんの情報収集をしていた。3階建ての自宅とその裏にある別宅は2階でつながっているなどの内部構造を調べ、下見までしたうえでの犯行。別宅のベランダにはしごをかけて侵入したのです」(全国紙社会部記者)

 自宅へ侵入したのは、主犯格の正和容疑者だけだった。「妻の左稀容疑者はトラックやはしごなどを準備し、野木容疑者はそのはしごを支えていた」(同・全国紙社会部記者)

 請川容疑者夫婦は、数年前に結婚。1年前に現在のメゾネットタイプのアパートに子ども1人を連れて引っ越し、間もなく2人目の子どもをもうけた。正和容疑者について、近所の住民は、こう話す。

「向こうから挨拶してくれるような、気さくな人。でも、いつも忙しいようで、子どものことはすべて奥さんに任せっきりだった印象ですね」