お金の使い方にも“差”が…

 だから冒頭のように家賃の高い“港区、中央区、渋谷区、品川区あたりに住む(たぶん)高収入男子”にモテが一極集中するワケだが……。

「いないですよね。表のとおり、全世代の独身男子が住む区は江戸川区、足立区、葛飾区の3区。いわゆる家賃の安いエリアです。“平均年収が30年もあがらないご時世で、低収入の独身男性が自分の収入の範囲内で住めるエリアを探そうとすれば、必然的に家賃の低い下町エリアなのです」

 彼らの収入はおもに飲食に費やされるという。対して、独身女性側はというと……。

独身女性は年代を問わず、家賃の高いエリアに住む。収入の多い・少ないにかかわらず、治安のよさそうなイメージや、聞購入してしまう傾向が男性こえのよさで住む地域を選ぶ傾向がありますね。そしてどうせ住むのであれば、賃貸ではなくマンションなど持ち家を購入する割合が高いのも独身女性の方です」
 
 例えば“給料が手取り20万円だとしてもワンルーム6畳10万円もする港区に住みたい女子”は少なくない。なぜだか女は住所に見栄を張る。そしてそこに見合う(住所の)相手を探す。年代と共に上がる港区率を見て“生涯、現役の港区女子で居続けたい”気概を感じる。では、港区女子がシニアになったら?

婚活中の港区シニア女性であれば、だいたい持ち家もあってリッチ。だから男性に対する注文は多いですよ」

 と、教えてくれたのは港区で長く結婚アドバイザーをするマダムいくこさんだ。

「離婚や死別などの場合、元夫の買ってくれた家がある。区内で生まれ育ったネイティブのかたは大体、セレブです。自分がお金に困っていないので、自分の年齢や見た目度外視で“若いイケメン”にこだわったり、相手に高収入を求める人も。もちろん港区内に若くてイケメンの高収入男性がいたら、みんな飛びつくでしょうね」(マダムいくこさん、以下同)

 ただし港区女子といえども、シニア婚活では基本的に“最後に寄り添える人”を探している。もしも65歳以上の港区女子が真剣に結婚したいなら、チャンスの多い足立区に行けばいいのだが……。ふたつの区の中間くらいには、なんなら上野や浅草といった繁華街もある。だが、たとえ2人が出会ったとしても、特に何も生まれないだろう。

 そもそも収入を飲食に費やす足立区男子と、家賃に費やす港区女子では経済的な価値観が違うのだ。住む世界が、というか、もはや世界線が違うのかもしれない。

「だから相手の住まいが23区内だったら手を打ちなさい、とアドバイスしています。と言っても、港区女子は港区は離れたくないでしょうし、生活レベルは落としたくないでしょうね」

 港区女子のプライドは老いてなお衰えず、その自己愛はいっそう強くなるのか。

「毎日優雅に過ごして、いい男といいゴハン食べて、可愛い犬飼ってヨガしてインスタして。芸能人とかイケてる社長たちとワイン飲んでちやほやされて食事するだけで感謝されて、1000円で帰れる距離でタクシー代1万円もらえる。港区女子はそんな世界を目指してます♪」

 そう語ってくれた20代女子よ。もし君が30歳までの結婚にこだわるのなら、港区女子をこじらせる前に“港区住み”の看板を下ろして、婚活に励むことをオススメします!