1月31日、『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)の初春2時間SPが放送された。同番組は9日、ニュースサイト『文春オンライン』に、目玉のサバイバル企画「脱出島」のヤラセ疑惑を報じられて以降初の放送となった。

 視聴者の注目を浴びたが、SNS上では、無人島開拓企画などで人気を集める『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)の演出と比較され、「見習うべき」といった指摘が飛び交っている。

ナレーションで“協力者”の存在を強調

『冒険少年』の名物企画「脱出島」は、タレントが食料と水を除く45Lリュックのワンバックのみを無人島に持ち込み、イカダを作って脱出するタイムを競う。その王者として君臨しているのが、体当たり系のお笑い芸人・あばれる君だ。

「世帯視聴率は毎回5%前後で、決して高視聴率番組というわけではありませんが、年齢問わず楽しめるファミリー向けバラエティとして人気を博しています。あばれる君は、サバイバルナイフを片手に、食料調達や火起こし、イカダ作りまで行う驚異のサバイバル能力を発揮し、小学生を魅了。

 小学生男子を主な読者とする『月刊コロコロコミック』(小学館)のアンケート調査では、2020年の『好きな芸能人&スポーツ選手』ランキングで第2位に輝いています。『文春』のやらせ疑惑報道は、そんなあばれる君にあこがれる子どもたちを裏切りかねないものでした」(芸能ライター)

 記事によると、あばれる君が1人で製作したと演出されたイカダは、実際には5~6人のスタッフが作業を手伝い、本人は浜で寝転んでいることもあったという。またクライマックスの脱出シーンでも、あばれる君は15分間オールを漕いだ後、船に乗り込み、無人のイカダは牽引されていたそうだ。

 31日放送回の冒頭では、

「『冒険少年』は大自然を舞台に、番組が設定した環境の中で、さまざまなミッションに全力で立ち向かう雄姿を楽しんでいただくアドベンチャーバラエティー」

「いつだって100%本気で挑戦、時に全力でふざけて、時にみんなで力を合わせて、今夜もドキドキワクワクする冒険をお届けします」

 と、番組のコンセプトがあらためて紹介。その後、あばれる君が自費で購入した『あばれる山』にて、日本古来の暖房器具や露天風呂作り、風力発電でログハウスに電気を引くという大掛かりなロケが行われた。

「暖房作りでは、あばれる君が『大工の新井さん』から説明を受けるシーンが、また露天風呂作りでは出演者らにスタッフが加わり、バケツリレーでお湯を運ぶシーンも放送されました。

 実際、『あばれる山』では以前から、山の所有者やスタッフがログハウス作りに参加する様子が映されていたのですが、今回はナレーションでも協力者の存在が強調されていました。少なからず報道の影響を受けての演出ではないでしょうか」(同・前)