高見沢俊彦(以下、高見沢)「コロナ禍になってのいちばんの変化は、ライブができなくなったこと。僕らは、ツアーバンド。デビューしてからずっとツアーを中心に活動してきました。それが、ライブができないというのは衝撃的なことでしたね」

桜井賢(以下、桜井)「東日本大震災が起こった '11年は、コンサートツアーが1つできなかった。そのときに、ファンの方たちもツアーがどれだけ大切なものなのか感じてくださって。改めて、ツアーバンドとしてやってきた誇りを感じたんです。

 それが、この2年で3回しかツアーができていないですからね。気づけば、公演回数が『笑点』の放送回数(2月13日の放送で2797回)に追い越されて。コロナ禍になる前はリードしていたのに。ほら、あちらは、ほぼ毎週やっているでしょ」

今回のアルバムもコロナ方式でレコーディング

高見沢俊彦 撮影/齋藤周造

 デビューから新型コロナが蔓延する直前の '19年まで、45年間休むことなく年数回のツアーを続けてきたTHE ALFEE。

 現在までのコンサートの総本数2779本は、国内グループとして最多公演記録だ。

 昨年7月にリリースした『The 2nd Lifeー第二の選択ー/光と影のRegret』が『星空のディスタンス』から続く55作連続のオリコンチャートTOP10入りを果たすなど、第一線を走り続ける日本バンド界のレジェンド。

 だからこそ、コロナ禍で“できなくなってしまったこと”に苦しさをおぼえてきた。

高見沢「毎日のように報道される新型コロナのニュースを見ているとつい暗い気持ちになってしまうのは、事実関係だけが報道されて、希望がないからですよね。僕らにとって音楽とは何かを考えたときに、新曲がひとつの希望になるなと改めて思ったんです。未来のライブにつながっていくと」

ライブにつながる新曲、歌詞をおぼえるのは……

 シングルとして発表した『The 2nd Lifeー第二の選択ー』など3曲を収録したアルバム『天地創造』を2月23日にリリースした。12曲中、9曲が新曲となるアルバム。

桜井「今回もコロナ方式でレコーディングしました」

高見沢「以前は3人一緒に録音していましたが、いまは密にならないようにひとりひとり」

坂崎幸之助(以下、坂崎)「ビートルズの『ゲット・バック・セッション』の映像を見ていると、4人が唾飛ばしながら歌っていて」

高見沢「ああいうのは、いまできないよね」

坂崎幸之助 撮影/齋藤周造

 3人の声が重なる“三声”が魅力のグループ。ひとりひとりでのレコーディングに苦労されたのではと聞くと、

高見沢「そういうことは苦労とは思わないんじゃないかな。だって、ミュージシャンですから」

坂崎「大工さんが家を造るのといっしょ」

高見沢「大変だとは思うけれど、イヤだなっていう感覚はないんですよ。やっぱり楽器を弾いたり、歌ったりすることが好きですから。ただ、新曲の歌詞をおぼえるのは難しい(笑)。それは、大変ですよ」

桜井「もうね、無理なんですよ。おぼえられない(笑)」

坂崎「大工さんと違うところは、建てたら終わりじゃない」

桜井「また、再現しないといけないから」

高見沢「ちゃんと練習しといてよ」

桜井「このあいだ、やったばっかりでしょ」

 王道ロックにポップ、バラード、組曲が詰め込まれたアルバムの制作は、1月中旬まで続いていた。

桜井「昨年末、年明けの2月にアルバムを出すって小耳にはさんだときは、ありえないと思ったんです。いままでにないくらい制作期間が短かったので。年末に高見沢から“おまえの曲だけど、レコーディングは来年な”って言われて。だから、お正月がなかった(笑)」

高見沢「本当はね、去年のうちに終わらせないといけなかったんです。でも、歌詞がどうしてもできなかったので(苦笑)」