《4》菓子パンが好きでよく食べる

〜糖尿病になると認知症リスクが高まる〜

菓子パンが好きでよく食べる(イラスト/アサミナオ)
菓子パンが好きでよく食べる(イラスト/アサミナオ)
【写真】今日からでも気を付けられる「認知症を招く習慣」

 糖尿病の人は健常な人と比べて2~3倍、アルツハイマー病になりやすい。さらに糖尿病による糖代謝異常が主な原因で、軽いアルツハイマー病でも認知症を発症しやすいことがわかってきた。また、高血圧は脳血管性認知症のリスクを高め、肥満体形の人は認知症発症リスクが2.44倍になることが明らかに。甘いものを控えてバランスのいい食事をとるとともに、1日30分の有酸素運動を週3~5回行うなど、体形維持を心がけて。

《5》不平不満を口にする

〜「できないこと」ではなく「できること」を楽しむ〜

 ストレスがたまるとつい不平不満を言いたくなるもの。しかし敵意を抱きやすい、自意識が強いといった「神経症傾向」がある人はそうでない人に比べ、認知症になるリスクが高いことがわかっている。これは周囲とのコミュニケーションの妨げになりやすく、結果的に社会的な孤立につながるのではと推測される。性格はすぐに変わらないが、うまくいかないときは「できないこと」を嘆くのではなく、「足るを知る」考え方に切り替えて。

《6》歯磨きをおろそかにしがち

〜こまめな口腔ケアでアルツハイマー病を予防〜

 アルツハイマー病のマウスの口腔に歯周病菌を感染させる実験を行ったところ、脳内に沈着するアミロイドβが歯周病のないマウスの約1.5倍になった。因果関係はわかっていないが、歯周病菌などが脳内に流れ、影響を与えると考えられている。さらに歯周病で歯を失い、噛めなくなることもアルツハイマー病の要因に。起床後と食後は念入りに歯磨きを。ただ、食事の直後は歯が傷つく可能性があるので食事の20分後に。できれば歯間ケアも行おう。

教えてくれたのは……杉本八郎さん●薬学者、脳科学者。同志社大学生命医科学研究科客員教授。グリーン・テック株式会社代表取締役。著書に『世界初・認知症薬開発博士が教える 認知症予防 最高の教科書』(講談社)がある。