近所に友達と呼べる人がいません。自治会の集まりでも寂しさを感じます。

 夫が亡くなり、6年前に県外に住む息子夫婦の家へ引っ越し、同居を始めました。息子家族との関係は良好ですが、同年代が多い自治会の集まりにもなじめず、いまだ近所に友人と呼べる人がいません。習い事など始めようかと考えているのですが……。

鎌田's アドバイス

「公民館で開催されている習い事の教室なら同じ趣味の人を見つけやすいはず」
地方では、公民館活動というのがわりと活発に行われていて、さまざまな教室が開催されているので、少し勇気を出して飛び込んでみては。もし1つの教室がちょっと閉鎖的で嫌だなと思っても、同じ内容で別のグループが開催している教室がある場合も多いので、諦めないで。友人がいなくてもできる趣味を持つのも手。

“いつも一緒”を求めてくる習い事の友人。どう付き合っていけばいい?

 50代の主婦です。趣味で習字を習っていますが、最近教室が終わった後に3~4人の生徒で行うお茶会がおっくうでたまりません。いつの間にか“参加するのが当たり前”の空気になっていて、たまに気分が乗らずに断ると「マイペースすぎる」と言われます。私はわがままなのでしょうか。友人たちとどう付き合うべきかわかりません。

鎌田's アドバイス

「束縛し合う関係なら、思い切って解消することも大事です」

 お茶会をしなければ仲間に入れないような教室なら、思い切ってやめてもいいと思います。趣味の教室もお茶会もそれぞれが楽しく過ごせる場でなければ、自立したソロ活に向きません。勇気のいることかもしれませんが、現状にこだわらず、関係をリセットすることは大事です。マイペースでいることは、ひとり時間を生きる素養としてとても大切。だから、“マイペースで何が悪いのよ、自分の人生なんだから”と思っていいのです。

頻繁に会っていた友達に距離を置かれて、とても孤独を感じています。

 ここ数年、よき散歩仲間として付き合っている近所のAさん。最近、2世帯住宅を建てて息子夫婦との同居が決まり「孫の面倒をみる」という理由で散歩をやめると言い出しました。私にとって、Aさんとの散歩の時間だけがリフレッシュの時間だったのに。せめて週1回でも散歩を続けようとお願いしたいですが、間違っていますか?

鎌田's アドバイス

「“ひとり立ち”のチャンスと捉えて、友人の選択を尊重すべき」

 正直に言うと、“散歩を続けよう”と言わないほうがいい。それまでの友人関係が変わることに不安があるかもしれませんが、それはお友達から自立して“ひとり立ち”するチャンスでもあるわけです。「お孫さんの相手で疲れたらいつでも連絡をして。愚痴を聞くわよ」と、お友達の選択を尊重しつつ、困ったときに助けてあげられる間柄を目指しましょう。そのほうがカッコいいですし、よい関係が続くと思います。

『ちょうどいい孤独』(かんき出版)著者・鎌田實先生※記事の中の画像をクリックするとAmazonの購入ページにジャンプします
【グラフ】「生きづらさを感じたことがある女性」の実態調査結果

鎌田實先。1948年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長。患者の心のケアまで含めた地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導く。『ちょうどいい孤独』(かんき出版)ほか著書多数

<取材・文/河端直子>