他人との縁を切らず、ほどよい距離感を保ちながら、ひとりの時間を大切に─。

 長年、緩和ケアの現場で患者と向き合っていく中で、そんな“ちょうどよい孤独”を楽しむ生き方こそ、満足した人生の最期につながると感じている医師で作家の鎌田實先生。ひとり時間を楽しむ力を養うことは、自分の価値観をはっきりさせて自己肯定感を高めることに役立つという。

“ソロ活”の練習を始めよう

「人はいつかひとりになる可能性がある。自分の延命治療・緩和ケアはどうするか、夫に先立たれた後にどう生きるか。自分ひとりで決めなければならないときが必ずきます。そのときに、満足できる“自分流”の生き方を選択することができるか。ひとりで何をするか選んで過ごす“ソロ活”は自己決定の訓練にもなります」(鎌田先生、以下同)

 鎌田先生は、家族や親しい友人など誰かが一緒にいるという恵まれた環境のときこそ、“ソロ活”の練習を始めることをおすすめしている。

「ひとりで過ごす訓練なしにひとりになると、本当につらい。誰かがいるという環境がいつまでも続くわけではないということを元気なうちから意識することも大事です」

 例えば、図書館に行って1時間本を読んで帰るだけでもよい。夫や友人の要望に合わせたり、予定を決めてもらうのではなく、自分で何をしたいか考えて行動する行為が重要。特に子育てが一段落し、定年退職を意識し始める50~60代は、自分流の生き方へシフトチェンジできるよいタイミング。

“これからは私のやりたいことをやる人生だ”と思って、週に1時間でもひとりで過ごす時間を作ってほしい。“夫や子どもに振り回されるだけの人生だった”なんて、思わないようになると思うし、夫や子どもの自立にもつながります。年齢を重ねたときに“自立したカッコいいおばあちゃん”として孫のことも上手に見守れると思いますよ

 でも、家族が中心の生活から離れて、急にひとり時間を意識するとさまざまな戸惑いが。読者の“ソロ活”にまつわるお悩みから、生き方のヒントを学びたい。