『FaOI』静岡公演では、羽生結弦らは和風の高級ホテルに宿泊(ジェイソン・ブラウンのSNSより)
『FaOI』静岡公演では、羽生結弦らは和風の高級ホテルに宿泊(ジェイソン・ブラウンのSNSより)
【写真】荒川静香らと高級ホテルで…『FaOI』出演者と和んだ様子の羽生結弦

「僕はいつも誠意を持って対応してきたつもりですが、記事を書くことによってみなさんもいろんなことを言われたり、僕自身も傷ついたり、本当にいろいろあったと思います。ここまで羽生結弦という媒体をすごく大切にしてくださって、ここまで成長させてくださって、本当にありがとうございました」

 “近く引退を発表するのでは?”と思わされたと話すのは、現地で取材していた記者の1人。

「惜しくも転倒してしまいましたが、4回転半が初めて国際スケート連盟から認定されて競技を終え、エキシビションに向けて練習をしていた期間のことでした。“これまでのスケート人生で落としてきたものを全部”と、羽生選手の歴史を振り返るような9曲での練習を終えての出来事だったので、あまりに衝撃的で……」(現地で取材した記者)

足の状態がよければ4回転半を跳べる

 その後も気持ちは揺れ動き続けていたが、再び4回転半への道を進む決意を固めた羽生。今シーズンで北京五輪の雪辱を果たすことができるのだろうか。成功の可能性をフィギュアスケート評論家の佐野稔さんに聞いた。

「北京五輪での4回転半はアンダーローテーション(回転不足)の判定でしたが、成功まではもう少し。ただ、当然気合だけでは跳べませんので、しっかりとした練習の裏付けが必要だと思います。4回転半は着氷が重要ですし、北京五輪でケガをした右足が、練習を重ねる中でそれに耐えうるだけの状態なのか……。足の状態がよければ、可能性はあると思います」(佐野さん、以下同)

 羽生は“みなさんが見ている前で(4回転半を)降りたい”とも話しているが、悲願の達成はいつになるのか。

「いちばんいいのは、国際スケート連盟の公認大会で跳ぶことですよね。9月から始まる『チャレンジャーシリーズ』や、10月からの『グランプリシリーズ』、来年3月の『世界選手権』など、どの大会に出場するかはまだわかりませんが、羽生選手の場合は『グランプリシリーズ』か『世界選手権』の可能性が高いでしょう。例えば、12月の『全日本選手権』で4回転半を成功させたとしても、国際スケート連盟の認定にはなりませんから」

 とはいえ多くの選手は、いきなりこういった場所で挑むわけではないという。