目次
Page 1
ー むしろタトゥーが増えていった
Page 2
ー 世界王者としてタトゥーの印象変えたい
Page 3
ー タトゥーがダメなら海外を拠点にする

 7月13日、東京・大田区総合体育館で行われたWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチで見事、5度目の防衛を果たした井岡一翔(33)選手。その試合後、勝ちっぷり以上にネットニュースとして取り上げられたのが、試合の際に井岡の左胸から脇腹、そして左腕に塗られた“タトゥー隠し”だった。

 試合を管轄する『JBC』(日本ボクシングコミッション)が定めたルールとして、「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場できない。それに従って、井岡は自身の身体に入れたタトゥーを隠したわけだが、そのルールに「矛盾があるのです」とはボクシング専門誌編集者。

 というのも、フィリピン出身の挑戦者ドニー・ニエテス(40)選手の左胸から腕にかけて「蛇」、右胸には「牛」のタトゥー、いや和彫りの入れ墨が入っていたからだ。リング上で対面した井岡とは対照的な、なんとも違和感を覚える構図に。

 この試合を見ていた視聴者も然りで、ネット上では《なんで井岡だけ隠さなきゃいけないの》などと声が上がり、中には《そもそも入れることが問題》とルールを把握しているのにタトゥーを入れ続けた井岡の行動を疑問視するユーザーも。

 2017年に1度は現役引退を表明するも、翌2018年9月にアメリカにて現役復帰。その頃から身体のタトゥーが増えていった井岡。そして2019年に国内ライセンスを再取得して再び日本のリングに立ったのだが、ボクシングファン、並びに関係者の度肝を抜いたのが2020年の大晦日に行われた田中恒成選手とのタイトルマッチ。

むしろタトゥーが増えていった

「髪の毛をコーンロウスタイルに編み込んだ井岡選手の左肩に、大きなライオンのタトゥーが加わっていたのです。近年、ボクシングの健全化を目指して、特に試合中のタトゥーの露出に注視するJBCに反発するかのように、計量時には“むしろ増えてないか”と。まるで井岡選手の意思表示にも見えました」(前出・専門誌編集者)

 この大一番がTBS系の全国ネットで放送されると、当然というべきか、井岡の勝利よりもタトゥーに批判が集中。JBCはルールを守らなかったとして、井岡と所属ジムに厳重注意処分を下すことに。

「以後は、井岡選手の試合前にはJBC担当者がタトゥーを隠すようにと、陣営に念入りに要請をしています。井岡選手も素直に“ルールには従います”と、そこは反省しているようですが、まだ納得していない部分もあるようですね。特に同じリングに立つボクサー同士なのになぜ“外国人はOKで日本人はダメ”なのか、その部分にはこだわっているみたいです」(同・専門誌編集者)