目の温め、目薬で休める、いたわる

 ハンディ扇風機を使う場合は、風が直接目もとに当たらぬよう、なるべく顔を避けて首元に当てるなどの工夫を。

 有田先生は「ただ目が疲れているだけ、と思っていても、実は角膜の傷が原因かもしれません。さらに、角膜の傷が治らないままでいると瞳のバリア機能が低下し、感染症リスクも高まってしまうため、適切なケアが必要です」と語る。目がゴロゴロする、ピリピリと痛むようなら要注意。

 そこで有田先生が提案するのは、次の2つ。

(1)目を休める・いたわる
日常的に目を使い過ぎず、意識的に目を休める。具体的には、時々目をゆっくりと閉じ、スマホをずっと見続けることは控えて、まばたきも適宜行う。

(2)目薬をさして目の表面を潤す
目のチクチクや疲れ等の不快感を和らげるために目薬を常備している人もいるはず。角膜に有効なのは、ビタミンA入りの目薬。目薬はさしすぎると涙を流してしまい逆効果になるため、一日に3~5回を目安に、一回1滴のみ、さす。

お話をうかがったのは
医学博士 有田玲子先生(眼科医)伊藤医院眼科副院長 慶應義塾大学元眼科非常勤講師 東京大学眼科臨床研究員 医学博士
ドライアイ、またドライアイの中でも特に『涙のあぶらの専門家』として、TV・雑誌・講演会・ワークショップ等を通じて精力的に活動する。油不足ドライアイ関連の英論文は70本以上発表し、世界一となる。「多くのかたへドライアイの正しい知識を身につけてほしい」と、2021年にYouTubeチャンネル『眼科医 有田玲子先生のドライアイ診察室』をスタートし、難しいことをわかりやすく明るく解説することをモットーに、ためになる情報を配信中。

イラスト・写真提供:現代人の角膜ケア研究室