扶養されていたらもらえるお金

「死亡一時金」も忘れてはならない、国からのサポート。「死亡一時金は、年金を受け取ることができなかった故人に代わって、遺族が国からもらえる香典のようなもの。年金事務所で申請できます」

 そのほか、遺族(妻や子)が故人に養われていたケースでは、「遺族基礎年金」(故人が国民年金の被保険者の場合)や「遺族厚生年金」(故人が厚生年金の被保険者の場合)を受け取ることができる。

 どちらも遺族の生活を支えるための制度なので、父親が亡くなり、扶養されていた母親や子どもが健在ならば、年金相談センターなどに行き、忘れずに申請しよう。

 さらに、親が長く入院していたような場合には、死亡後に精算される医療費が高額になる場合がある。一定額を超えるとお金が戻ってくる高額療養費の払い戻しの対象にならないかも調べてみる価値ありだ。親が年金受給者だった場合は、親が受け取っていない「未支給年金」を受け取ることができる。期日までに忘れずに手続きをしよう。

実録!年金の申請は事前の準備が大切だと痛感

ファイナンシャルプランナー 風呂内亜矢さんの場合

 一昨年、岡山県に暮らしていた父が亡くなったとき、コロナ禍だったので自主隔離後に3週間ほど帰省。母に代わっていろいろな手続きをしました。私はファイナンシャルプランナーなのでそれなりの知識を持ち合わせているつもりでしたが、やることが多く時間と労力がかかりましたね。改めて感じたのは、事前の準備が大切だということ。

 特に年金の申請は、確認事項が多く、手続きの作業時間や待ち時間も長くかかりました。何度も窓口に足を運ぶことがないように、家族の年齢や収入、基礎年金番号などが記載された資料は、事前にまとめておくことをおすすめします。