預金口座を見て各契約を解約すべし

 もらえるお金ではないが、余計な出費を抑えるための手続きもある。

「継続して費用が発生するクレジットカードや通信サービスの解約、習い事やスポーツジムの退会手続きなども忘れがち。そのままにしておくと、余計なお金を支払い続けることになるので必ず解約を」

 本人が亡くなった場合、家族などが代理で解約などの手続きをすることになるが、どんなサービスを受けているかは本人にしかわからないことも多い。その場合は、通帳の自動引き落としを確認しよう。

 しかし、取引の内容が記帳されていないケースや、ネットバンクの利用で通帳がない場合もある。名義人が亡くなると口座が凍結されて、口座にログインできなくなることも……。

「銀行口座が止められると、多くは引き落としがされなくなるので余計なお金が出ていくことは防げますが、記帳をして家族がお金の支払い先を見つけるのが難しくなります。そのため、各種契約については親が元気なうちにリストアップし、家族で情報を共有しておくといいでしょう」

 電子マネーやマイルも相続しないと丸ゾンだ。

「親が貯めたポイントは通常相続の対象にはなりませんが、一般的にスイカなどのプリペイド型の電子マネーは、事前にチャージした金額を相続できます。ANAやJALのマイルも相続できるので、忘れずに手続きをしましょう」

教えてくれたのは…風呂内亜矢さん
ファイナンシャルプランナー。お金に関する情報を発信。近著『「定年」からでも間に合う老後の資産運用』(講談社+α新書)

<取材・文/村瀬航太>