家でもできる!探究学習

 実は、エイスクールでの授業プログラムは“探究学習”という学びの一種だ。探究とは、自分で課題を見つけ、解決を目指す能力を育てる学習と定義されている。2022年度には、「探究」が高校の必修科目にもなった。

 エイスクール代表の岩田拓真さんは「探究」を学習塾で提供する理由をこう話す。

「答えのない時代になって、仕事でも人生でも自分なりに課題を発見して、解決法を探る力が求められるようになっています。その力をつけるための探究学習なのですが、日本ではまだ十分に普及していません。小学生から探究学習を体験するきっかけになればと思い、活動しています」

 仕事に触れるプログラムをメインに据えたのは、現代の子どもたちに、多様な仕事についてもっと知り、考えてほしいからだという。

「仕事を通じて世の中に興味を持つことで、視野が広がります。なぜ算数の図形を学ぶ必要があるのか、なぜ国語の読解力が必要なのか、勉強をする意味もよくわかり、勉強そのものが好きになります。いろんな職業を疑似体験する機会と、今、学んでいることが実社会ではどう役立つのか、子どもたちが結びつけて考えられる学習の場が必要だと思ったんです

 そんな最先端の学習法が注目され、6月には子ども向けの書き込み式ワーク『おしごと算数ドリル ビジネス×計算』と『デザイン×図形』が出版された。

「コンビニ店長になりきり、経営を学びながら、在庫・売り上げの計算(足し算、引き算)、利益の計算(掛け算)などに取り組むドリル。それから、ロゴデザイナーになりきり、図形を学ぶドリルの2種に分けました。ご家庭で塾の授業を体感していただけると思います」

 そのほか、日常的に子どもの探究心を育てるための親向けの本も。『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』は中国でも話題となり、翻訳出版された。

ご家庭でも親子の会話をちょっと工夫するだけで子どもの探究心は育ちます。例えば、買い物で家族全員が満足するための方法や、苦手な片づけを楽しくする方法など、“困り事を解決するプランナー”になりきって、親子で話し合うことも探究学習になります。お風呂や夕食の時間にも学びのチャンスはたくさんある。上から目線で親が“勉強させる”のではなく、楽しいと思える学びの機会をつくってあげてほしいと思います

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【写真】3階の天井から屋上プールの底が…“斬新”な建築模型を考案した子どもたち

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<取材・文/鷺島鈴香>