フェアの見極め方

 コスパよく回転ずしを楽しむ最大のコツの限定フェア、選び方も大事だと米川さん。

「フェアに大ハズレはほとんどありません。というのも、フェアの計画は1年単位で決まっているので、前もって準備ができます。フェアに合わせて、いいネタを安いタイミングで仕入れられるのです。ただ、店ごとに得意なフェアは違います。大手4社の特徴を知って、賢く回転ずしを満喫しましょう」

 大手4社それぞれの押さえておきたいフェアを米川さんに教えてもらった。

◆スシロー 倍盛りなどのボリューム系。中でも厚みが2倍になる「倍トロ」は見た目も圧巻。
◆くら寿司 中トロのフェア。普段は1貫200円と大手の中では比較的高額な商品が半額になることも。
◆はま寿司 「100円祭」のほか、他社よりも力を入れている肉握りも魅力。
◆かっぱ寿司 「カニ祭り」など、カニを使ったフェア。カニカマを使ったサラダ軍艦が代表ネタだが、実は本物のカニにも強い。

 スシローのおとり広告騒動が記憶に新しいが、本当にお得なのだろうか。

「あの騒動は、安くおいしく提供しようとしすぎたために起こったもの。予想を超える売れ行きになり、店がパンク状態になったのでしょう」

 今後は改善されるはずだという米川さん。では、行かないほうがいい、コスパの悪いフェアはなんだろう。

「“100円のメニューが少ないフェア”です。値段が高くてうまいのは当たり前。どんな高級食材が目玉のフェアでも、お得でなければ意味がない。フェアの良しあしは安さです

 また、メニューにないレーン限定商品を逃さないことや、アプリやLINE登録でゲットできるクーポンを使うなどのお得術も駆使すれば、コスパアップは間違いなし。前ページで紹介したお得術5選をぜひチェックしてほしい。

 安い時期にネタを仕入れ、保管しておいて安く提供する。これが実現できているのは、冷凍技術の賜物だ。ひと昔前は選んではいけないネタの代名詞だったアジやイワシなどの青魚でさえも、格段においしくなっている。

 ただし、それだけ技術が発達した現代でも、選んではいけない要注意ネタがある。それが、ウニだ。

「ウニの性質上、仕方がないことなのですが、大手チェーンの価格で出せるレベルのウニは、解凍する際に溶けてソースのようになってしまうんです。粒の立ったおいしいウニは、まず味わえません」

 回転ずしは原価率だけでは測れない時代。お得なフェアやお得なネタを見極め、積極的に“使いこなすこと”が、満足度を上げるカギ。工夫しだいで、回転ずしはまだまだコスパよく楽しめる。コツを知って、お得をつかもう。