袋代を減らすにはゴミを減らすのみ

 生活している以上ゴミは出続け、ゴミ袋代もなくすことはできない。ならば、ゴミ自体を減らすしかない。家事アドバイザーの矢野きくのさんは、「とにかく分別を徹底させましょう」と話す。

「ほとんどの自治体ではリサイクルゴミは有料化していないので、食品の外箱、トイレットペーパーの芯、プラスチックなど細かく分類してリサイクルゴミに出すといいでしょう。分別を徹底すると可燃ゴミは10Lや20L袋で十分収まるようになっていきます。袋が小さければ値段も安くなるので、節約効果は確実に得られます」(矢野さん、以下同)

 さらに買い物の際にもゴミが出ないように配慮を。

全国の主な有料家庭ゴミ1袋の価格
全国の主な有料家庭ゴミ1袋の価格
【写真】全国の家庭ゴミ1袋の価格まとめ

「例えばキャベツの外葉。家で捨てると、かさばるのでゴミ袋もいっぱいになりやすい。スーパーの売り場で捨てられるようならその場で捨てるなど、ゴミを減らす意識を持って買い物をすることも大切です」

 詰め替え容器のものを購入したり、紙コップや紙皿など使い捨てのものをやめるのも有効。

 有料化に伴い、生ゴミ処理機であるコンポストを購入する際には補助金を出す自治体も多いので、それを利用してもいい。洋服は、資源ゴミとして回収するサービスなどを利用するか、衣料品店の無料回収に出しても。フリマアプリの利用もおすすめしたい。ラップの代わりにシリコンのふたを使うなどして、ゴミを出さない工夫が大事。

 前出の山谷さんはこう話す。

「ゴミ袋を有料化した自治体では、ゴミの量が2~3割は減っています。有料化することで、ゴミに対する住民の意識が変化した証拠です。有料化のいちばんの意義は、ここにあると思います」

 ゴミ処理ではCO2が排出され、温暖化などに悪影響を与えてしまう。地球環境の観点からもゴミの削減は誰もが真剣に取り組むべき課題。ゴミ袋も、石油高騰の影響でさらに値上がりする可能性は否定できない。

 ゴミ捨てのスキルを上げて、エコ&家計を守り抜く力を、しっかり養っていきたい。