個人を応援するファンも多いが、やはり応援心理の前提には“グループ”があるという。だが、近年のジャニーズは人気タレントの掛け合わせ的なユニットを組んだりする例が多いが、実は大成功の例は少ないと芸能ジャーナリストは言う。その典型が中山優馬、山田涼介、知念侑李の3人で結成されたユニット『NYC』だ。

『J-FRIENDS』以来7年ぶり

「これは中山優馬を売り出すためにHey! Say! JUMPの人気メンバーを兼任させ、一時的にJUMP本体の活動も滞ってしまったという印象をJUMPファンに与え、大きな反発がありました。

 この10年を振り返ると、香取慎吾と山下智久の『MONSTERS』や三宅健と滝沢秀明の『KEN☆Tackey』などがありますが、大ブレイクした感じはありません。中島健人と平野紫耀がバディを組んだドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』や、複数グループからの選抜されたメンバーが出演するバラエティー『VS魂』も、やや苦戦の印象です」

 しかし、それ以前には大成功の例も複数存在する。代表的なのが国分太一と堂本剛の『トラジ・ハイジ』と、亀梨和也と山下智久の『修二と彰』(どちらも2005年)だ。グループが垣根を超えて新ユニットを組み、CDを発売したのはTOKIO、V6、KinKi Kidsの『J-FRIENDS』以来7年ぶりだった。

「“ジャにの”の活動も“修二と彰”のような甘い蜜を味わいたいのは当然のことでしょう。でも、あの時代と比べると趣味の細分化、多様化がかなり進んでいます。ファンの熱意がより狭く深くなっている今とは応援の方向もかつてとは違うような気がします。

 ほかのグループには負けたくないというグループ単位で応援するファンが多いので、垣根を超えたユニットは、特別感よりも課外活動のような感覚なのでしょう。なので、動画視聴のその先、雑誌の購入やCDをリリースしたとしても購入にはつながらないのかもしれません

 ファン以外の人たちが「豪華!」と思えば十分なのかもしれないが、ジャニーズ主演ドラマの視聴率が苦戦するのと同じく、ジャニーズ色を前面に押し出すと逆に萎えるのと同じということか。

 とはいえYouTube上での反応は依然として好調は続く。『24時間テレビ』の余韻は薄らいでしまっているが、ジャにのがほかのメディアを巻き込み、さらなる飛躍はまだまだありそうだ。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉