キャッチも増え、街全体が汚れていった

 佐々木さんが『FRIDAY』の記者になったのは '86年。

「創刊2年目で、芸能人はまだそれほど警戒心がなかったのか、1晩で3〜4組の芸能人カップルを見つけたこともありました(笑)。高級クラブに行けば加藤茶さん、志村けんさん、明石家さんまさん、ジャニーズタレント、川合俊一さん、野球選手やサッカー選手はゴロゴロいました。松本人志さんや今田耕司さん、山崎邦正(現・月亭方正)さんもよく見かけました。本当に多くの芸能人が六本木で遊んでいましたね

 アン・ルイスや荻野目洋子、とんねるずが六本木界隈を歌ったのも '80年代半ば。しかし、

'90年代に入ると、新宿で“おっパブ”などのセクシーキャバクラが流行り出し、その波は六本木にも。それまで外国映画で見るような水着姿の女性がポールダンスをする店はあっても、“お下劣”な店はありませんでした。キャッチも増え、街全体が汚れていく感じがしました

 その後、 '03年に六本木ヒルズがオープン。堀江貴文に代表される“ヒルズ族”が取り沙汰されるように。また芸能ニュースとして衝撃的だった“押尾学事件”は '09年、“市川海老蔵暴行事件”は '10年のこと。

「六本木はお金を生む街ですから“反社”も集まります。オシャレで特別感のあった六本木も、今ではずいぶん雑多で、普通の歓楽街になっちゃったという感じがします。それが嫌で、遊び場を池尻などの別エリアに移す芸能人も出てきましたが、それでも六本木が“芸能人が集う街”であることに変わりはないです」