ペットブリーダーを営む守安年章さんの現役時代の四股名は龍巍。東幕下二枚目まで番付を上げるもののその5年後に33歳で引退。その後は車いすバスケットボールを支援するNPO団体やマッサージ師を経て、ブリーダーへと転身を遂げた。なぜ力士とは似ても似つかないブリーダーを目指したのか。

勝負の世界から離れ、ペットブリーダーへ「犬も人も幸せに」

「引退直後からダックスフントを飼っていたんです。その子がかわいくて賢くて、犬がすごく好きになりました。そこから新しく2頭お迎えしたら、今度は愛犬の子孫を残したくなったんです」

地元岡山に庭付き一戸建てを購入して犬のブリーディングを始めた
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 それから、庭付き一軒家を建て、犬の販売に必要な第一種動物取扱業の登録をしたという守安さん。トントン拍子に進んだようだが、いきなり一軒家を買うのに迷いはなかったのか。

「周りの人に恵まれていたのが大きいですね。自分のような幕下以下の力士だと退職金はごくわずかですが、力士を引退してからもずっと応援してくれる人が多かったので、その支えのおかげで、やりたい仕事ができています」

 ちなみに、横綱ともなると引退時には数億円の収入があるともいわれる(なるほど、絵本も歌も作れそう)。第二の人生にまで夢のある角界。

 守安さんのさらなる夢は?

「犬も人も幸せになればいいなと思います。かわいい犬をすてきな飼い主さんに迎えてもらったら、いいことだらけだなって(笑)。そのために、これからも大切に育てていきます!」

(取材・文/井上真規子)