老眼を早めるNG行為

1. 裸眼で長時間スマホを見る

 ずっと同じところを見ていると、水晶体が固まってしまい老眼が加速しやすい。これは俗にいうスマホ老眼だが、加齢による老眼と合わさった状態となり回復しにくい

2. 合わないメガネを使用する

「遠くが見えやすいメガネ」は手元が見えにくく、メガネを外してスマホを見ることになってしまう。目の疲労防止のためにも「見たい距離」の度数のメガネの使用を

近視の人は老眼に気づきにくい

 梶田さんによると、「手元が見えづらくなった」と気づくのは、平均して、44歳6か月のころだという。よく「遠視の人は老眼になりやすく、近視の人はなりにくい」と聞くが、それは正しくないそうだ。

「遠視の人の場合は、近視の人よりも近くにピントを合わせづらいため、老眼に気づきやすいだけなのです。一方、近視の人は遠くのものは見えにくいですが、近くのものにはピントが合い、よく見えるため、老眼に気づきにくいのです」

 近視用のメガネやコンタクトをしている場合、それらを外せば、手元にピントが合うので、「自分はまだ老眼ではない」と思ってしまいがちだ。しかし梶田さんによると「外して手元を見るようになったこと自体が老眼の始まり」だそうだ。

 つまり老眼は近視か遠視かにかかわらず、加齢による自然な現象なのである。だが、日常生活に気をつけることで、老眼を遅らせることも可能だという。

「1つは、裸眼で長時間スマートフォンを見ないこと。スマホは手元で見るので、特に近視の人はピントを合わせるために裸眼で見ることが多いと思いますが、それでは手元に焦点を絞ったままになってしまいます。この状態は、ピント合わせをまったくしないことになるので、水晶体が固まってしまいます」

 もう1つは、合わないメガネを使わないこと。特に近視の人は、メガネをつくるときに遠くがよく見えるメガネをつくることが多い。しかし、現代の生活では遠くを見るよりもスマホやパソコンなど手元を見ることのほうが多い。つまり、遠くを見るためのメガネで近くを見ていることが増えるのだ。

「老眼のためだけでなく、“見たい距離”の視力がいいことが目にとっては大事です。しょっちゅう観劇に行く人なら遠くを見る用、パソコン作業が多い人なら近くを見る用と生活スタイルに合わせたメガネを使いましょう。そうすれば、目の疲労も防げます」