3位『うる星やつら』 92票

 第3位は『うる星やつら』。'80年より『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載が始まった、高橋留美子の原作が大ヒット。翌年にはアニメ化され、放送は約5年間続いた。

「急にミサイルが爆発したと思ったら、最後にいろんな登場人物がバタバタと出てくるめちゃくちゃなストーリー」(神奈川県・女性・49歳)

「ふたりのラブシーンで終わらせてほしかった。最終回のうるさいドタバタ劇はいらない」(東京都・男性・52歳)と、これまでの登場人物を総動員した騒々しいラストシーンが不評の原因に。

「残念な最終回が生まれる最大の要因が、原作の連載とアニメの放送が並行して進むパターン。この作品もまさにそうです」(大野先生)

『うる星やつら』のアニメ版は、原作の漫画連載が最終回を迎える前に、放送終了することとなった。つまり原作にはまだ最終回が存在しないため、アニメ版でオリジナルストーリーを制作する必要があったのだ。

「高橋先生の原作連載が続いているなか、アニメ版でラムとあたるの物語を勝手に完結させるわけにはいきません。苦肉の策として登場人物を勢ぞろいさせ、ドタバタで終わらせる形となってしまいました。この作品に限らず、原作の連載中にアニメを終了しなければならない場合、どうしても不自然な最終回になりがちでした」(大野先生)

『うる星やつら』の原作の最終回は、アニメ版最終回の翌年に発表された。アニメとはまったく違う、完成度の高い胸キュンのラストシーンは、いまでも伝説に。ちなみにこの漫画版最終回は、劇場版『うる星やつら 完結篇』でアニメ化されている。ファンとしては、こちらを本当の最終回としたいところだろう。

 大野先生によると、アニメ作品の約3分の2以上が“原作あり”だそう。オリジナルストーリーよりも、すでにヒットしている原作をアニメ化するほうが、大はずれとなるリスクが低いからだ。

「最近では、原作の連載と並行してアニメを放送する場合には無理に終わらせず、話が一段落するまでの“シーズン”で細かく区切ることが多くなりました。万が一アニメが不評でも1シーズンで終われますし、連載が長期間続く場合でも、シーズンごとに分割されていたほうが管理しやすいからです。

 そのため'80~'90年代に見られたような、“アニメ放送がいきなり不自然な形で終了する”ケースは少なくなりました。今回のランキングも、すべてが20年以上前の作品。最近のアニメは緻密に放送プランが練られているため、がっかりな最終回が出現する確率はますます低くなるでしょう」(大野先生)

 令和版の『うる星やつら』ははたしてどんなエンディングを迎えるのか──。