今だからこそ見えてきたありがたさ

 花火大会の当日、Twitter上で話題を集めていたのが、当時ボランティアサポートで警備に参加していたとされる、警備会社「アルソック京滋(けいじ)」永野正社長の誘導だ。白いシャツにベストという私服ともとれる出立ちで駅階段の入り口付近に立ち、人の流れを必死に整えている姿が多数ツイートされた。

白い帽子にマイクを携えた男性は“DJおじさん”として話題になった(Twitterより ※一部画像を加工)
白い帽子にマイクを携えた男性は“DJおじさん”として話題になった(Twitterより ※一部画像を加工)
【写真】日本でも“圧死事件”は起きかけていた? 当時は「迷惑」と非難されたDJおじさんの行動

 当初は「命の仕事をしているんだ!止まれ!」という、永野正社長指示に対して

「お前誰だよ!口の利き方がなってない!」

「流れ止めてんじゃねーよ! みんなが迷惑してるって分かってる?」

「言っちゃあれだけど階段のとこで喋るなって思う。邪魔になるし、通りたい人は困るよこれ。マスクしろせめて。説得力ない。」

 などと批判的な声で溢れていた。しかし今回の「梨泰院圧死事故」を受け、再び話題に。

「梨泰院の事故で思い出した。命の仕事してるんだって本気で怒鳴ってるのに対して、なんだあのおっさんって雰囲気になってるのが動画から伝わってくる」

「安全のために他人をこんなふうに見てくれて叱って怒鳴ってくれる人なんて居ないよ。」

警備会社「アルソック京滋」のHPに掲載された永野正社長のあいさつ
警備会社「アルソック京滋」のHPに掲載された永野正社長のあいさつ

 実際に起きた事故を目の当たりにして、「今だからこそ見えてきたありがたさ」を感じたということだろうか。国内でも歩道橋での将棋倒しなど、混雑が原因の事故は枚挙にいとまがないのだ。

 国が違えど、多数の事件事故を経てなお繰り返される転倒事故事故の実効的な再発防止策が施行されることを真に願う。