渡辺直美さんの最初の3カ月間の短期留学の成果はどうだったのでしょう。

 英語力に関しては、インタビューの中で次のように答えています。

「留学当時は、ゼロからのスタートでしたけど、いまは中2レベルくらいまではいけます(笑)。そこから勉強していないので、次は実践に移したいなと思っています」(女性自身2018年9月18日号)

 実際の英語レベルは判断が難しいですが、ゼロからのスタートだったのが、着実にレベルアップしている様子は窺えます。その後の仕事振りも、帰国後すぐの9月には「第19回 東京ガールズコレクション 2014 AUTUMN/WINTER」に自身のブランド「PUNYUS」を初出展。芸歴10周年を迎えた2016年秋には、ワールドツアー『Naomi Watanabe WORLD TOUR』をニューヨーク、ロサンゼルス、台湾の世界3都市で成功させています。

 世界を舞台にした華々しい活躍ぶりは、2回目の留学を経て今日まで続いているのは、皆さんもご存じのとおりです。

オトナにお勧めしたいお試しプチ留学

 人生100年時代と言われる現在、日本の社会人の働き方やライフスタイルは、より多様性のあるマルチステージへと変化しています。

 より長いスパンで仕事や人生を考えた場合に、しかるべきタイミングで自分自身のアップデートを効率よくできるのがオトナ留学です。

 渡辺直美さんのオトナ留学は、彼女ならではの行動力に基づいていますが、整理してみると、まず適性をはかるために3カ月間のお試し留学(観光ビザ)があり、数年してから満を持して長期専門留学(Oビザ)に行くという、留学の王道の道筋であることがわかります。留学に際してその土地の気候や学校の学習スタイルなどに相性や適性があるため、一度お試しでプチ留学に行くことは賢い選択と言えます。

 一般の社会人にとっては、現在はまだハードルが高いと思われがちなオトナ留学ですが、リモートワークやワーケーションはその可能性を広げています。筆者は5年後そして10年後は、社会の変化がさらに進み、オトナ留学が当たり前になるのではと予測しています。

 現在も渡航している渡辺直美さん、ピース綾部さん、光浦靖子さんに加えて、来年は氷川きよしさん、風見しんごさん、小島瑠璃子さんと芸能人留学のラッシュは今後さらに続きます。

 世界が劇的に変化しているこのタイミングは、学び直しに適した時期なのかもしれません。


大川 彰一(おおかわ しょういち)Shoichi Okawa
留学ソムリエ 代表取締役
日本認定留学カウンセラー協会幹事、TAFE Queensland駐日代表。1970年京都市生まれ。セールス&マーケティングに約10年間携わり、カナダに渡航。帰国後、留学カウンセラーとして4年間で約1000名以上の留学やワーキングホリデーに関わる。その後、米国の教育系NPOのアジア統括ディレクターとして約6年間、グローバル人材育成に尽力。海外インターンシップを大学の単位認定科目としての導入に成功、東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも携わる。現在は「留学ソムリエ(R)」として国際教育事業コンサルティングや留学の情報を発信。留学ソムリエの詳細はHPFacebookから。著書に『オトナ留学のススメ』(辰巳出版)。