「ジャニーズは、井ノ原さんの社長就任に際して、≪V6では年齢の異なるメンバーの調整役を26年間、務めてまいりました≫と説明していましたが、面倒見のいい人物であるのは確か。井ノ原さんが“お兄さん”的存在として、後輩の嵐に大きな影響を与えてきたことも見逃せません。例えば、大野さんが井ノ原さんとの舞台共演をきっかけに、芝居に“開眼”したのは、ファンの間ではあまりにも有名な話です」(前出・ジャニーズに詳しいエンタメ記者)

 Jr.時代から、ジャニー喜多川氏に退所の相談をしていたという大野。舞台『ジャニーズ・ファンタジー KYO TO KYO』(1997、98年)に出演する中、自身のダンスが「極まった」と感じ、次は絵を描きたいという思いが強くなったと、2017年6月にゲスト出演した『あさイチ』で本人が明かしていた。

大野のホスト転身を食い止めた!?

「嵐は、『1999年ワールドカップバレーボール』のイメージキャラクターとしてデビューしたのですが、大野さんは期間限定のユニットだと勘違いしており、≪違う就職(先)が見つかったら辞めようかな≫と考えていたそう。つまりデビュー当時の大野さんは、いつ辞めてもおかしくない状況だったわけです。しかし、2001年に出演した舞台『PLAYZONE'01 EMOTION~新世紀~』で、松岡昌宏さん、井ノ原さんとトリプルキャストを務めた際、ある転機が訪れます。

 稽古中、大勢の出演者に囲まれる中で芝居をすることにプレッシャーを感じ、明らかにダメな演技しかできなかったという大野さん。しかし主演の少年隊は何も言ってくれず、見捨てられていると感じていたそうです。そんな大野さんに対し、『恥じらいがあるだろ?』と指摘したのが、ほかでもない井ノ原さん。

 大野さんが『あります』と答えると、『うん、俺も最初はそうだったよ』と寄り添うような言葉をかけたといいます。それをきっかけに大野さんは、恥じらいを吹っ切ることができ、芝居に集中。千秋楽では達成感から号泣したそうです」(アイドル誌ライター)

 このエピソードは、大野本人がアイドル誌やテレビでたびたび語っているが、一方の井ノ原も『あさイチ』で、≪何を目標にしててどうしたいのか、欲が見えなかった≫という大野が、千秋楽で涙したのを見て、≪か……可愛いな、コイツってなった。完全に可愛い子になった≫と、当時の心境を明かしていた。

「言うなれば井ノ原さんは、大野さんの“芸能活動への意欲”を引き出した存在なんです。そういえば大野さんはJr.時代、ジャニーズを辞めてホストになりたいと本気で考えていたそうなので、井ノ原さんは『大野のホスト転身を食い止めた人物』とも言えるかもしれません(笑)。まぁそれは冗談として、これからジャニーズアイランドの社長として、Jr.にも同様の働きかけをしてくれるのではないかと期待しています」(同・前)

 東山紀之、堂本光一とともに、2023年1月上演の舞台『JOHNNYS' World Next Stage』で演出を担当すると発表されている井ノ原。早くも大仕事を任されたが、果たしてその手腕はいかほどか――今後も注目していきたい。