「過去に泥沼の離婚劇を繰り広げたことでも知られるヨアキム王子は、独身時代より“パーティー・プリンス”と揶揄されてきました」(多賀さん、以下同)

 初婚の相手は、英語、ドイツ語、広東語の3か国語を話し、投資会社の副部長を務めていた、香港生まれのアレクサンドラ女伯だった。

息子に対するマルグレーテ女王の本音

「'95年、アジア系の女性として初めてヨーロッパ王室に嫁いだアレクサンドラ女伯は、結婚して1年でデンマーク語を完璧に習得。公務にも積極的で、デンマーク国民からは絶大な支持を得ていました」

 ニコライ王子とフェリックス王子という2人の息子が生まれたものの、夫婦仲の悪さがたびたび報じられ、'05年に離婚。ヨアキム王子の素行不良が原因だと囁かれた。

デンマーク・マルグレーテ女王の長男・フレデリック皇太子とメアリー皇太子妃(王室公式SNSより)
デンマーク・マルグレーテ女王の長男・フレデリック皇太子とメアリー皇太子妃(王室公式SNSより)
【写真】デンマーク王室、称号をはく奪された4人の王子と王女

「'08年には、現在の妻にあたるフランス人のマリー妃と再婚し、ヘンリック王子とアテナ王女を授かりました。'19年には“王室に居場所がない”と一家でフランス移住。マリー妃はデンマークに帰りたがらず、王子も今はデンマーク王室の公務を、ほとんど行っていません」

 今回の称号はく奪に関するデンマーク国内の世論調査では、50・3%が賛成を表明しており、反対は23・3%にとどまる。

「ヨアキム王子は、これまでの醜聞により、国民からの人気があるとは言い難いです。もしも人望があれば、もっと惜しむ声が上がったはず。昨今はSNSが発達し、国民と王室との風通しがよくなったこともあり、スキャンダルを隠せない環境です。

 マルグレーテ女王にとって、王室をスリム化する表向きの理由は“孫たちの自由”や“公費の削減”ですが、本音は、ヨアキム王子の母親として、王室への敬愛を損ねかねない息子と距離を取りたかったのではないでしょうか」

 王室を揺るがす“親子ゲンカ”の行方や、いかに─。


多賀幹子 ジャーナリスト。元・お茶の水女子大学講師。ニューヨークとロンドンに、合わせて10年以上在住し、教育、女性、英王室などをテーマに取材。『孤独は社会問題』(光文社)ほか著書多数