素晴らしかった織田裕二のセンス

 ウラ話はほかにも。

中居正広さんは“映画の主役をやったら連ドラの主役の仕事も来ますよね”って話していたようで、大森監督は“彼の中では映画よりも連ドラのほうが格上なんだなぁ”とショックを受けていました。木村拓哉さんは中居さんと演技で張り合っていたようですが、“みんな仲がよかった”とも話していました」(同・前)

 大森監督は、織田裕二についてもこんな話をしていた。

'03年公開の映画『T.R.Y.』で、主演の織田さんのアドバイスを取り入れたそうです。織田さんが撮影中に“口出し”するのは有名な話ですが、監督は“彼のセンスは素晴らしかった”と絶賛していましたよ」(芸能プロ関係者)

 古くから親交の深かった文芸評論家の河内厚郎氏は、大森監督が撮りたかったものがあったと明かす。

数年前に“村上春樹さんの小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を映画化したいから、許可をもらいに行くんだ”と話していました。ところが、その後まもなく病気になってしまったんです。彼ならどんな映画を作ったのか、今も気になっています

 そして、こんな話を続ける。

「“現代の社会をとらえることができるのは映画しかない。だから、映画を見ることが大切だ”とよく言っていたのを覚えています。本当に映画への愛情が深い人でした」

 その“愛”こそが、名優たちを世に送り出した─。