エキストラ募集では島内以外からも

新作映画は漫画では描かれていないオリジナルストーリーで展開される
新作映画は漫画では描かれていないオリジナルストーリーで展開される
【写真】島民に配布された「エキストラ募集」のチラシ、2004年の第1作目の出演者ほか

 映画の公開前から観光客も増えていたようだ。

「6月ごろに映画のエキストラ募集がされましたが、島内の方だけではなく、わざわざ与那国島に来て、参加してくださるファンの方もいました。その後も、ドラマの再放送の効果もあってかロケ地巡りの観光客の方にたくさん来ていただきました。シーズン1や2をリアルタイムで知らないような若い人が増えているのもうれしいですね。この映画をきっかけに、与那国に遊びに来ていただければなによりです」(与那国島観光協会担当者)

 キャストやスタッフ、島の住民と多くの人に待ち望まれた大作だが、関係者の間ではある噂がささやかれていた。

「この映画を一番待ち望んでいたのは原作者の山田先生かもしれませんよ。そもそも今回の映画プロジェクトが立ち上がったのは、山田先生側に新たな『Dr.コトー診療所』の企画が持ち込まれたのがきっかけらしいんです。結局、前回の続編という形で完成しましたが、もしかしたらキャストを一新するなど、これまでと違った作品が撮られていたかもしれないんですよ」(フジテレビ関係者)

 真相を確かめるため、12月上旬、仕事から帰宅した山田氏に声をかけると、自宅で話を聞くことができた。

「今から5年ほど前に、フジテレビではないとあるテレビ局から“新作の『Dr.コトー』をドラマ映画で作りませんか”というお話をもらったんです。前向きに検討しようと思って、フジテレビ側にも相談したところ“少し待ってもらえますか?”と保留されまして。さすがに他局に作らせたくなかったのか、それからフジで新作企画が動くことになりました。それが今回の映画になったんですよ」

 実写化の話が、なぜ直接作者に来たのだろうか。

「多くの漫画作品の版権は、出版社が“代理人”として作者に代わり管理するケースが多いんです。私も以前は『Dr.コトー診療所』を掲載していた小学館に権利を管理してもらっていましたが、'03年や'06年の実写ドラマ制作後に、思うことがありまして、私自身で管理するようになったんですよ」(山田氏、以下同)