第3位は「茨城県・千葉県」ゾーン。茨城県も東北地方に並ぶ地震常襲地帯だが、関東平野でも主に高さ変動で気になる数値が見られるという。

「東北地方と同じような理由で、福島県と茨城県北部の境界で高さ変動の差が大きく出ていて、不安定な状態です。福島県の日本海側が大きく隆起を続けていて、茨城県北部との境目あたりでひずみが生じやすくなっています」

 また、千葉県の一部にも沈降地帯が現れている。

「千葉県全体は2020年1月を基点とすると隆起をしているなかで、北西部には沈降地帯が現れています。このあたりは構造として沈降の数値が継続して現れやすいエリアで、昔から小さな地震が頻発しています。以上のことからも、茨城県・千葉県周辺では地震が非常に起こりやすくなっているでしょうね」

 第4位は「九州・南西諸島」ゾーン。九州全体で高さ変動の動きが活発化している。

「2022年の後半は特に、九州全域にわたって隆起と沈降の動きを繰り返して乱高下しており、地殻が不安定な状態にあります。また、鹿児島県の口永良部島と屋久島は高さ変動・水平変動のふたつで異常が頻繁に見られます。人工知能を使ったわれわれの『ダイナミックAI解析』では、九州南部と九州北部が危険度ランク1位、2位となっており、特に宮崎県・鹿児島県の九州南部エリアは要警戒ですね」

 さらに沖縄寄りの南西諸島でも大きな水平変動がある。

「南西諸島の水平変動は東北地方と並んで大きく現れており、直近では12月13日に奄美大島近海でマグニチュード6、震度4の地震が起きました。同様に、マグニチュード6規模の地震が最近多く発生している台湾に近い先島諸島では、さらに大きな水平移動が見られます。地盤が強固とはいえ、不安定な状態が続く九州・南西諸島はどちらも細心の注意が必要です」

冬場の地震は火災のリスクにも注意

 地球規模で見ると、マグニチュード6以上の地震の2割が日本で起こっているが、地震の予測技術はさらに進化していると村井さんは語る。

地震予測は、既存の学問や常識に縛られず、あらゆる可能性を排除しないことが重要です。地殻変動だけでなく、太陽活動の異変解析、特殊な天体現象に至るまで、科学的観測に基づく地震の前兆現象を幅広く検証し、予測精度を日々向上させています」

 地震予測は前兆現象に基づくため、中長期の予測はとても難しい。しかし、最後に1月の地震発生の可能性が高い日について尋ねると……。

「1月7日は満月で水星との惑星直列が重なる日でもあるため、磁気嵐が連動すれば大きな地震が地球のどこかで起こる可能性は高い。また、1月22日の新月前後も地震発生のリスクは高いですね。

 地震には季節性があるわけではなく、冬だから地震が起きやすいということはありません。ただし、冬場の地震では、ストーブなどの暖房器具による火災リスクや、非難時の防寒対策など、注意すべき点もあります。いま一度、家族で防災対策について準備・確認をしておくことは重要です」

 北海道から沖縄まで、2023年も日本全域にわたって地震への警戒が必要だ。