目次
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ー 『ホームレス中学生』がベストセラーのころは
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ー 『ラヴィット!』の視聴者が応援したくなる要素

《朝から元気が出る》

《仕事前に笑えるのありがたい》

 毎朝、SNSを賑わせているのが“日本でいちばん明るい朝番組”の『ラヴィット!』(TBS系)だ。MCを務めているのは麒麟の川島明

「朝8時、ほかのチャンネルではニュースや時事ネタを扱うワイドショーをやっています。『ラヴィット!』だけが芸人を中心としたバラエティー番組なんですよ。メインMCの川島さんに加えてロバート馬場裕之さん、ビビる大木さんなど、曜日ごとにレギュラー出演者が変わります」(テレビ誌ライター)

『ラヴィット』のポスター
『ラヴィット』のポスター

『ホームレス中学生』がベストセラーのころは

 放送開始は‘21年3月。立川志らくがMCだった『グッとラック!』の後継番組だ。川島は、テレビプロデューサー・佐久間宜行のYouTubeチャンネルで、オファーを受けたときの心境を語っていた。

「ワイドショーだったらやらないと決めていました。だから“ニュースを少しでも扱うなら残念ですがお断りします”と線引きしていましたね」

 ニュースを扱わないというのは斬新なコンセプト。朝はワイドショーという常識に挑戦するわけで、川島の“覚悟”が伺える。

「今年10月に北朝鮮がミサイルを発射し、どのチャンネルもそのニュースを報道していました。『ラヴィット!』の前に放送している情報番組『THE TIME,』が、その話題を取り上げて放送時間を延長したために25分遅れで始まっても、川島さんは“ラヴィット!はラヴィット!らしく頑張っていきたいと思います!”と笑顔でコメント。マグロの解体ショーを予定どおり放送すると《さすがのラヴィット!だわ》と話題になりました」(前出・テレビ誌ライター)

 川島の安定した仕切りには定評がある上に、大喜利対決の『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)で優勝するなど、芸人としての実力は折り紙つき。だが、お笑い芸人に詳しいライターの西澤千央氏によると、不遇な時代もあったという。

相方の田村裕さんの著書『ホームレス中学生』が‘07年にベストセラーになったころ、川島さんは“じゃないほう芸人”の扱いでした。悔しかったと思いますが、そのころから番組の企画を成り立たせる力は抜群でしたね。“番組の企画意図を理解しすぎてしまう”芸人として紹介されたこともあるほど(笑)。それが『ラヴィット!』にも活かされていると思います

『ラヴィット!』は、VTRとクイズコーナーがセット。出演者は面白い答えを競い合って大喜利状態に。川島には、思いのままに発言しても大丈夫だと思わせる安心感があるという。

「芸人さんがボケ倒しても、川島さんは防御力が高いから受け止められる。出演者は“こんだけボケても大丈夫だろう”と思えるし、視聴者も“川島フィルター”があるから安心して見ていられるんです」(西澤氏)