目次
Page 1
ー “デジタルネイティブ”の弊害なのか
Page 2
ー 友人限定のはずが友人から友人へ
Page 3
ー 迷惑行為をする若者はなくならない

「キャハハハ!ちょ、ホンマに!?」

 信じられない迷惑行為、いや、犯罪とも言える行為が映った動画がSNSで拡散されている。コンビニエンスストアと思われる店内で、おもむろにライターオイルを手に取っては商品が並ぶ陳列棚に向かってオイルをかけて、持っていた着火ライターで火をつける男性。

 火が燃え上がると息で吹き消しては、再び火をつけて消す行為を繰り返し、側にいた女性が笑いながら撮影した内容だった。撮影時期や場所こそ確認できないものの、もしも実際に店舗で行われたのだとしたら大惨事になりかねない、器物破損どころか放火を問われる度を超えた行為といえよう。

 他にも、制服を着た高校生と思われる女性が、「みなさん、こんにちは。○○です。今回は、こちらやってみたいと思います」と、施設内の個室トイレにてライターを着火。高々と燃え上がった火の熱を感知してか、火災報知器が作動してブザー音が響き渡る。

 同行者と笑いながら逃げようとする画面には、《このあと女の従業員がトイレきて トイレ出たら警備員立っててバカ焦りしたよね》との“テロップ”があることから、明らかに火災報知器を鳴らすことを目的としたのだろう。

 大手回転寿司チェーン店『はま寿司』や『スシロー』で確認された、迷惑行為の余波が広がり続けている。両社はすでに、そして新たに被害を受けた福岡県北九州市のうどんチェーン店『資(すけ)さんうどん』も警察に被害届を提出したばかり。

 この流れに乗ってのことだろう、冒頭の迷惑行為の他にも回転寿司店をはじめとした別の飲食店で撮影したと思われる動画が、ネットユーザーによって次々と発掘、拡散されるブームが起きつつある。

“デジタルネイティブ”の弊害なのか

 回転寿司店で、お茶の粉を口いっぱいに含んでは咽せてテーブル状に撒き散らす男性や、わざと醤油を座席にかけ回してふざけ合っているグループカレー店で無料で提供される福神漬けを共用トングで直接食べたり、ラーメン店では胡椒の容器を口に含んだりと、確認できるだけでも店舗の衛生と安全を損いかねないものばかり。

 中には《これ、やばすぎやろ》とのテロップを添えた、本人や撮影者も“やってはいけないこと”と理解しつつも実行している動画もある。では、彼らはなぜ「悪いこと」と知りつつも迷惑行為を繰り返し、また他者の炎上を傍観しながらも、動画撮影をしてSNSに投稿してしまうのだろうか。

 また彼ら若者の中には、いわゆる“Z世代”と呼ばれる2000年代以降に生まれた“デジタルネイティブ”も多く含まれている。スマホで動画を撮る、撮られることに慣れ親しみ、またSNSツールに投稿することへの抵抗のなさから足を踏み外してしまったのだろうか。