日本のデータベースには詳細な情報が入っている!

 日本のがんゲノム医療の拠点であるがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に集積されているデータには、個人が特定されないよう十分に配慮しつつも、一人ひとりの詳しい治療歴が含まれている。新薬開発には欠かせない情報で、それが日本のデータベースの最大の特徴。

新薬開発には欠かせない情報が詰まっているのが日本のデータベースの最大の特徴
新薬開発には欠かせない情報が詰まっているのが日本のデータベースの最大の特徴
【写真】世界と日本でこんなに違う!新薬開発を助ける「日本のデータベース」世界との違い

【日本のデータ(イメージ)】

病院名、性別、年齢
遺伝子パネル検査の結果
病名、状態、転移など

治療歴
 ・薬の名前
 ・投与開始日、終了日
 ・治療効果
 ・有害事象など

【外国のデータ(イメージ)】

病院名、性別、年齢
遺伝子パネル検査の結果
病名、状態、転移など

「2022年からこの詳細なデータを厳正な審査を通った製薬会社などにも活用してもらっています。研究に生かして治験を増やし、今後、使える薬を開発していけば、治療に結びつく人がきっと現状の10%を超えていくと信じています」

 今まさに、がんの新薬を開発しようと研究者たちが日夜努力している。日本のがん医療に明るい未来が待っていることを期待したい。

教えてくれたのは……

河野隆志さん○国立研究開発法人国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 情報利活用戦略室長

取材・文/富永福子