日常がしっかりと描かれたうえでの恋愛

 このほか8位以下には、

『大恋愛~僕を忘れる君と』『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』『中学聖日記』『恋はDeepに』がランクイン。

 主人公のタイプも作風もバラバラに見えるが、そこにはひとつの法則があると田幸さんは解説する。

「どのドラマも作品と登場人物にしっかりとした魅力がある。昔のドラマはセンセーショナルで、障害やすれ違いなどハラハラさせる仕掛けで視聴者を引きつけましたが、今は実力ある脚本家と役者をそろえ、きちんと作った作品が届いている」

 若者のテレビ離れ、恋愛離れが叫ばれて久しいが、今後恋愛ドラマに未来はあるのだろうか。今の時代、視聴者の心をつかむ恋愛ドラマとは─。

恋愛ドラマにおいても、恋愛至上主義ではない作品が支持されるようになっている。『silent』にしてもそう。身近かつリアルな設定で、日常の延長線上に恋愛もある、という在り方です。

 そこに魅力を与えるには、やはり丁寧な作りが必要になる。今は誰でもドラマを見る時代ではない。だからこそ今後はよりクオリティーが求められるようになるでしょう」(田幸さん)

 この先テレビに釘付けになるのはいつの日か? 次なる胸キュンドラマを期待したい。

胸キュンラブコメドラマ ベスト5

【第1位】《100票》花より男子(2005年 TBS系)

【第2位】《72票》逃げるは恥だが役に立つ(2016年 TBS系)

【第3位】《51票》のだめカンタービレ(2006年 フジテレビ系)

【第4位】《43票》おっさんずラブ(2018年 テレビ朝日系)

【第5位】《37票》恋はつづくよどこまでも(2020年 TBS系)

お話を伺ったのは……

田幸和歌子(たこう・わかこ)さん○週刊誌や月刊誌、Webメディアなどで俳優や脚本家のインタビュー、ドラマに関する記事を執筆。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など

取材・文/小野寺悦子