謝罪した「BTS神社」

 さらに、ARMYの怒りの矛先が、音楽番組に向けられたケースも。2020年12月放送の音楽特番『2020 FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ系)に先駆け、BTSのTwitter用告知動画が公開されたのだが、メンバーのJ-HOPEには個別のセリフがなく、またアップにもならず。

 前年の同番組で、BTSが「FAKE LOVE」を披露した際、尺の問題からかJ-HOPEのラップパートのみカットされたこともあって、ARMYの間で物議を醸したのだ。音楽番組でメンバー間格差をまざまざと見せつけられる演出は、どのグループのファンも怒りを覚えるものだが、「ARMYは数が圧倒的に多いだけに、悪目立ちしてしまうところはあると思います」(同)という。

 一方、ARMYの愛ゆえの怒りが、悪質なファンビジネスを撲滅させた事例もある。昨年2月、静岡県下田の浜辺に「BTS神社」なるものが建てられたとTwitter上で大騒ぎになった。同神社は、リゾートホテル「BY-THE-SEA」の敷地内にある洞窟内部に作られ、メンバーのタペストリーが飾られているほか、BTSの楽曲を用いた有料の祈祷も行っていたとか。

「ホテルが事務所に無許可でBTS神社を作ったのではないかと疑ったARMYは、悪質な便乗商法だとTwitterで抗議の声を上げるように。すると『BTS神社』のワードはトレンド入りを果たし、これを受けたホテル側は≪この度、世間をお騒がせ致しました事を深くお詫び申し上げます≫≪今後、写真の無断使用など細心の注意を致します≫と即謝罪したんです。メンバーを守りたいというARMYの思いが、問題をあっという間に解決させたといえます」(同)

 矢野の謝罪をきっかけに、“すぐ怒る”というイメージがあらためて広まっているARMY。しかしそれは決して悪いことばかりではなさそうだ。