『舞いあがれ!』秋月史子(2022年、NHK後期朝ドラ)

NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』公式HP
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【写真あり】とにかく怖かったホラー系恋敵

 現在絶賛放送中の朝ドラ『舞いあがれ!』に89話から登場し、ヒロイン・舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)の仲を急速に進展させるきっかけになった史子(八木莉可子)。

「貴司の短歌に感銘を受け、貴司の孤独を理解できるのは自分だけだと燃え上がり、貴司が経営する古本屋・デラシネに押しかけた史子。自分の短歌を読ませ、店番としてデラシネに居座って貴司以外の人間を周りから排除しようとしました。その行動力と押しの強さは“ミザリー秋月”とネット記事になるほど視聴者を震え上がらせました

 結果的に史子の登場が舞と貴司の背中を押したことで視聴者からの人気も上昇。

史子をただの“ミザリー”では終わらせなかった展開に、キャラを使い捨てで消費しない脚本家の愛を感じます

『男女七人秋物語』沖中美樹(1987年、TBS系)

 明石家さんま演じる良介と桃子(大竹しのぶ)が結ばれるまでを描いて大ヒットした『男女七人夏物語』の続編。桃子は渡米した後、音信不通となり、関係は自然消滅状態に。

「良介と付き合うことになった美樹(岩崎宏美)は、釣り船会社を経営し、自分で船も操舵するカッコいい女性でした。仕事優先で唐突にアメリカに行き、男連れで帰国、良介を振り回す桃子にはさすがに視聴者からも批判が集まり、私も美樹と結ばれてほしいなと思っていました

 最終的には、船から良介に敬礼し身を引く美樹。去り方の美しさも含めて魅力的な恋敵だった。

『ちむどんどん』大野 愛(2022年、NHK前期朝ドラ)

 まだ記憶に新しい、『ちむどんどん』。黒島結菜演じる主人公・暢子と、後に夫となる・和彦(宮沢氷魚)。その和彦の同僚にして婚約者として登場したのが、飯豊まりえ演じる愛だった。

「放送中の8月、ねとらぼ調査隊による『ちむどんどんで好きな出演者は誰?』というアンケートが実施されたのですが、なんと1位は愛でした。ちなみに主人公の暢子は9位、和彦は8位で、全体の6割以上の票を集めた愛はまさにぶっちぎりの1位。これは“物語の中で唯一常識人で、まともな台詞を与えられたのは愛ただひとり”という恐ろしい証しでもあります。日本中から愛されるはずのヒロインに圧勝した恋敵・愛でした

フジテレビのドラマの歴代最高記録を更新するなど、秋ドラマで話題を独占中なのが『silent』
フジテレビのドラマの歴代最高記録を更新するなど、秋ドラマで話題を独占中なのが『silent』

「最近は、恋敵を“ひとりの個性”としてその背景や人生をきちんと描く作品が増えてきた気がします。昨年大ヒットしたフジテレビの『silent』で夏帆さん演じる奈々には恋敵ではあるものの愛おしい気持ちにさせられました」

 恋敵が優しくなっている原因をこう分析する。

人格をきちんと作り上げたドラマがヒットする。『silent』や『舞いあがれ!』はそんな新しい時代の幕開けの象徴だと思います