サブスク登場の陰に「隠れ教育費」が

「隠れ教育費にいくらかかるのか学校側も把握していない」と福嶋さん
「隠れ教育費にいくらかかるのか学校側も把握していない」と福嶋さん
【写真】サブスクが導入された三隈幼稚園の制服、なかにはズボンを選んだ女児も

 日本鞄協会ランドセル工業会の2022年調査によれば、ランドセルの最多販売価格帯は6万5000円以上。購入者の55%は祖父母が占めているという。制服や体操着などの学用品も、同様に高額化が指摘されている。

「埼玉県の公立中学では、制服と体操着を一式買うだけで8万円はかかっていました。材料費値上がりの影響もありますが、シャツにベスト、靴下など、学校指定品のアイテムが増えている問題は大きい。市販のシャツでよかったものが、校章が入った学校指定のシャツになるだけで、価格がはね上がります」(福嶋さん、以下同)

 '18年に東京・銀座の公立小学校で、アルマーニが監修した制服を導入し物議を醸したが、「ブランドものを取り入れることも制服の高額化につながっています

 制服やランドセルだけでなく、上履きに絵の具セット、鍵盤ハーモニカ等々、子どもの学校でかかる出費に驚いた保護者は多いことだろう。こうした学用品や教材費などの負担は『隠れ教育費』と呼ばれている。文部科学省の統計によれば、1年間に公立小学校で約10万円、同中学校で約17万円の隠れ教育費が発生している。本来、義務教育は無償であるにもかかわらずだ。

「そもそも日本は、教育にかける政府の予算が世界的に見ても少ない国。サブスクを利用して費用を抑えられるなら、保護者の負担を減らす一助になると思います」

 ただし、「サブスクで解消できない問題もある」と福嶋さんは強調する。

「価格を見直すきっかけにはなるかもしれませんが、たとえサブスクを導入しても、制服を着なければならない状況は変わらない。実は、制服もランドセルも、法的に言うと学校側が強制できるものではありません。しかし実際には購入が当たり前になっていたり、学校側も着用するよう子どもたちに指導していたりする。そうした結果、学校指定品が増え続け、それにつれて保護者の負担も増したというのが現実です」

 隠れ教育費を減らすにはどうすればいいだろうか。

学校指定品の数を減らすことです。例えば、制服であればジャケットとスラックスやスカートだけに限定し、シャツや靴下は市販品でもかまわないとする。制服業者と価格交渉をするより、そちらのほうが早いし、全体としてかかる費用も下げられます」

<取材・文/千羽ひとみ>