瓜田純士の父親は伝説の暴走族『ブラックエンペラー』二代目総長

 父親は伝説の暴走族『ブラックエンペラー』の二代目総長。東洋一の歓楽街である東京・歌舞伎町で生まれ育ち、“ヤンチャ”という表現では足りないほどの経験をしてきた。10代で暴力団の構成員になり、覚醒剤取締法違反(所持及び使用)で逮捕、懲役に服すことに。

 刑務所内の文芸コンクールで、初めて執筆した小説が大賞を受賞。それをきっかけに出所後は作家という看板を掲げることになる。

 同時に格闘家として、数々の大会にも参加。“アウトローのカリスマ”の呼び名の通り、エッジの聞いた生き様と言動が広く知られるようになっていく。

「10年以上前から作家として活動してきましたが、本や小説となると身構えてしまう人も多い。俺が救われたように、自分や周りの人を大切にする気持ちを育てることができて、小学生くらいの子たちにも刺さる言葉を伝えたいと。そのために何かいい方法はないかと模索していました」

 そんな折、有名人の言葉を集めた日めくりカレンダーの存在を知る。

「これはいいなと。すっと頭に入るし、毎日違う写真ですから飽きないでしょう。
でも、流行っている日めくりカレンダーって、松岡修造さんとか新庄剛志さんとか、ポジティブを売りにしている人が前向きな言葉を言いっぱなしにしているだけな感じがしたんです。

 やたらポジティブな言葉って、実際は突き放しているように俺には思える。ときに攻撃的な言葉だとも思う。学校で先生たちがかけるような、命令口調の言葉にも似ている。そうではなくて、もっと、寄り添えるような言葉を伝えたいと思っていました

 指導したり、導く立場ではなく、悩んでいる人たちに、「あくまでも寄り添う立場でいたい」と語る。

「『お前は今のお前のままでいていい。でも、こう考えたら楽になれるし、もっと自分を好きになれる』って。言葉で受け止めてあげて、いま生きているという、最も大切なことを伝えたいんですね。

 亡くなられた瀬戸内寂聴さんとかの格式張った名言もすごいと思うんですけど。

 それともちょっと違うと思う。『この人、面白いこと言うな、楽しいな。気が楽になったな』と思わせたいというのが基本にあります。ということで、令和は俺が寂聴さんに取って代わるつもりです(笑)」