美醜で世帯年収が148万円も違う

 まだ何も聞いていない記者に冒頭のように一気にまくし立てた、9歳の娘に施した脱毛から二重埋没手術までの経過をSNSで発信しているポニョママ(仮名・38)に話を戻す。

「韓国では小学生も受験の際には整形していますよ。美醜で合否が決まるんです。ハンサム、美人と言われる人たちはそうでない人たちに比べて世帯年収が148万円も違うの、ご存じですか?」

 母親の主張はわかったが、娘の同意ははたして得ているのだろうか。

「娘はまだ何もわかりませんから。彼女が自分の顔にコンプレックスを持つ前に、先回りしていじめを回避させるのが親の務めだと思うんです」

 突然いじめというワードが出てきて困惑する記者に対して母親は、

「じゃあ息子のおちんちんの皮を剥くのは虐待ですか? あれだって痛いですよ、泣きわめきますよ。だけどやってあげないと不潔だし、将来息子が困ることになるでしょう。やらないほうが虐待です」

 どんどん話の方向性がズレてきているが……。娘の同意を得ているのか改めて聞くと、

「だから同意はいらないんです。未成年の整形は保護者の責任なんです。話、聞いてますか?」

 同意のない美容整形は“毒親”の“虐待”と同じではないのだろうか。

「なんと思われても結構ですよ。私は自分の目がひと重であることがコンプレックスで、整形させてくれなかった両親を毒親だと思っていましたから。子どもが悩むようになる前に回避してあげる、先回りするのはそんなに悪いことですか? 愛情だとわかりませんか?」

 愛か毒か─。子ども本人が大人になったとき、何を思うのだろうか。