フルトン選手を卑下するような実況をくり返した?

 試合の実況は鈴木健アナが務めた。日本テレビ所属で、’22年からはアナウンス部専門部長を務めている。前出の《》の引用はすべて彼へ向けられた意見だ。

「もちろん日本選手が対戦していて、日本で開催され、日本向けに配信されている動画であり、視聴者は基本的に日本人なわけです。そのため日本人向け、日本人選手上げになるのはある程度は仕方ないというか、当然ではあります。

 ただ、鈴木アナの実況が、あまりに井上選手寄り過ぎた。井上選手が相手のパンチを避けたら“見えている!”と大声で賞賛し、相手のフルトン選手が井上選手のパンチ避けたら“逃げている!”と卑下するような実況をくり返していました。終盤はフルトン選手への評価も口にしてはいましたが、試合を視聴した人に“(日本に来て試合をしているチャンピオンに)リスペクトがあまりになさすぎる”と思われても仕方ないような実況ではありましたね」(前出・テレビ局関係者)

 試合を伝えた解説陣も全員元世界チャンピオンと非常に豪華だった。元WBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃、元世界3階級制覇王者の長谷川穂積、元世界2階級制覇王者の畑山隆則氏、元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太だ。

ボクシング関係者は今回の試合を伝えたメディア側について次のように話す。

「他の人がずっと“井上すごい”をくり返すなか、西岡さんだけが井上選手への評価だけでなく、ずっと守備技術などの“フルトンのすごさ”を伝えていましたね。畑山さんは彼の性格的にずっと本音でトークするので、試合後に“フルトン、ナメてました! こんなにできるなんて”と評価していましたが(笑)」

 フルトンは鈴木アナが話したように、井上に為す術がないほどだったのか。