フィジカル最強の犯人

 今年2月25日に放送された『てっちり対決ミステリーツアー(下関編)』では、防犯カメラに映ることを避けた犯人が使ったトリックが話題に。犯行現場は関門海峡付近。犯人は、世界でも有数の荒い潮流である関門海峡を泳いでわたりきった。視聴者からは“それってアリかよ(笑)”“フィジカル強すぎて草”などとのコメントが殺到した。 

 この“トリック”に対して、海峡の所在地である福岡県観光連盟は公式ツイッターで、「コナンで出てきた“関門海峡を泳いで渡る”という内容が話題ですが、歩いて渡れるトンネルがありますよ」と、犯人を一蹴。

 '21年11月27日放送の『ケーキを愛する女のバラード』は、男性がシンクいっぱいのあんこに埋められて窒息死した遺体が出現。ケーキを愛する女性店員が、和菓子にうつつを抜かす社長に鉄槌をくだした。ただ、死因に直接あんこは関係しておらず、視聴者の頭はさらにパニックに。和菓子関係者がSNSで、やけどの危険性を解説するなど、日本中をまきこんだ、あんこ事件となった。

 トンデモ展開が多いアニメオリジナルは、ファンの間で密かに“浦沢回”と呼ばれている。世間がざわついた、7月8日放送の『天才レストラン』も、もちろん“浦沢回”。序盤で、コナンが“オムライスの死体を見た!”という男性に話しかけられ、ミュージカルのようなシーンが流れると、SNSでは“オムライスの死体”がトレンド入りし、視聴者もコナンも大混乱。

 男の正体は元店長。以前来店した際、自信作のお子様ランチに無関心だったコナンを恨み、復讐を企てたようだけど、“意味不明”な展開で、“おかしいと思ったら浦沢回だった”とコナンくん以上の名推理をするファンも。

 ただ、一見ぶっとんでいるように見える動機でも、些細なことが殺人の引き金になってしまうこともある。浦沢回は、ふざけているように見えて、大切なことを教えてくれている。優秀なコナン君も、真犯人・浦沢には叶わないようだ。