『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』はダイエットに適当?

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(以下、ヒプマイ)とは、男性声優18人がキャラクターに扮してラップを歌う人気コンテンツ。マンガやアニメを原作とするのではなく“音楽を原作”としていて、主にディビジョンと呼ばれる3人ずつのグループに分かれて楽曲がリリースされる。

「ディビジョンは『イケブクロ』『ヨコハマ』『シブヤ』……など、地域ごとにグループが分かれているのですが、私はイケブクロディビジョンの山田一郎くん(CV.木村昴)が最推し。イケブクロの『IKEBUKURO WEST GAME PARK』という曲や、ナゴヤの『Bad Ass Temple Funky Sounds』というノリノリで攻撃力の高い曲は筋トレにぴったり。たくさん助けられました」

 同人誌のイベントでかけられた心をえぐる言葉。自分の身体と心に向き合い、推しの力を借りつつダイエットに励んだ日々――。そんな自身の体験マンガを、X(旧ツイッター)に投稿したところ、2.6万もの『いいね』がつけられ多くの反響を呼んだ。

「本当にさまざまな人からコメントがあって、特に“共感”のリアクションが多かったと感じました。私のように仕事や家事、そして趣味にと日々追われるばかりで、自分を健康に保つためにダイエットをしなきゃと思いつつも、なかなか実践できていない人がこんなにもいるのかと思いました」

1万円台で購入したエアロバイク。モニター部分にiPadが置け、“アニメを見るためにエアロバイクを漕ぐ”習慣が身に付いた(写真提供、しりでっどマンさん)
1万円台で購入したエアロバイク。モニター部分にiPadが置け、“アニメを見るためにエアロバイクを漕ぐ”習慣が身に付いた(写真提供、しりでっどマンさん)
【写真】宅トレで20kg減! 驚きのビフォーアフター

 そんな体験マンガと寄せられた多くの反響が編集者の目に届き、しりでっどマンさんのダイエット成功法と、筋トレやダイエッターの専門家との対談などを収録した本が発売されることになった。

「趣味で本を作っていた人間が、まさか出版社から本を出すことになるなんて……。ツイッターに体験マンガをアップした理由は“ジムに通わなくても、ズボラな私でもこんなに痩せたよ!”ということを伝えたかったからなので、本を通してより多くの人に実践した宅トレの方法などが、分かりやすく伝わればと思います」

筋トレやエアロバイクはすっかり習慣になっていて、いまでもダイエットは続けています。Mサイズの服も着られるようになり、ふら~っと入った洋服屋さんで服が買えるのがとってもうれしい。20kg痩せられたことで自信がついてメンタルも回復し、同人活動もぼちぼち再開しています

 これは偶然だが、しりでっどマンさんが宅トレでお世話になった「ヒプマイ」から、このたび、筋トレにぴったりの楽曲が発表された。8月23日に発売となったヒプマイ初の2タイトル同時発売のEP、そのうちの1枚『The Block Party -HOMIEs-』に収録されている「Move Your Body Till You Die!」という曲で、TRFのDJ KOOと、ミュージシャンで音楽プロデューサーのヒャダインこと前山田健一が共同作成している。

 この曲は、ヒプマイキャラの中で圧倒的な身体能力を持つ、元軍人という経歴の「毒島(ぶすじま)メイソン理(り)鶯(おう)」(CV. 神尾晋一郎)を中心に歌う“エクササイズ”をテーマとしたもの。歌い出しはかつて大ブームを起こした「ビリーズブートキャンプ」ならぬ「RIO`s Boot Camp(リオーズ ブート キャンプ)へようこそ」という掛け声ではじまる。

「 “思わぬ公式からの配給”という感じでびっくりしています。個人の感想ですが、この曲にはメインとなる理鶯さん以外の8人のキャラが、屈強な肉体を持つ理(り)鶯(お)さんの激しいトレーニングに必死についていく……、というわちゃわちゃとした雰囲気があって、宅トレにぴったりだと思いました。運動に苦手意識のありそうな、夢野先生もこのトレーニングをやっているのかと思うと面白いです(笑)」

 しりでっどマンさんはいまでもヒプマイの楽曲が大好きとのことだが、いま、一番の推しはと聞かれると、それはヒプマイでもほかのアニメのキャラでもないという。

いまの私の一番の推しは“自分”です。推しって、その時自分が一番大切にしていることや、一番時間をかけていることだと思うんです。いまは自分の健康管理や、筋トレに一番時間を費やしている。だから、“推しは自分”かな……って思います

 日々の疲れを推しに癒してもらう。推しのライブを観るために労働をする……。というのはもちろん素敵なこと。けれど、推し活のために睡眠時間を削る、無理をして身体を壊してしまっては本末転倒だと身を持って知った、しりでっどマンさんだからこそ言える言葉かもしれない。

 推しを推す前に、まず自分を推せるように心身共に健康に。しりでっどマンさんの名言を肝に銘じて、これからも推し活に没頭したい。

『宅トレで20kg痩せたオタクの話を聞いてくれ』(主婦と生活社) ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

 同人作家・しりでっどマン自らがダイエットに成功した方法をマンガと文章で解説。さらに、有名YouTuberをはじめとする専門家との対談も多数収録。「まず何から始めたらいい?」「食べ過ぎはどうしたら防げる?」「運動を挫折しないためには?」など、ダイエットに関するあらゆる考え方や方法論から、「これなら自分も真似できそう」に出合える!