退職し、手に入れた自由時間の使い道とは?

 60歳になると企業年金を月5万円もらえるようになるので、連日フルタイムで働く必要はなくなる。さらに65歳になれば老齢年金の支給が始まり、そこに厚生年金を合わせたら、仕事をしなくても12万円を確保でき、それだけで生活できることがわかっていた。

「働くことはすごく好きです。でもやりたいことがあるのに、それを犠牲にしてまで仕事をしたいとは思わない。だから少しずつ働く時間を減らしていこうと考えたのです」

 63歳のとき週4日勤務にし、新型コロナが蔓延してからはさらに時短になって1日6時間勤務に。それで月7万~8万円程度の収入が得られた。

 それでも十分生活はできていたが、仕事の面白さもわかってきたので、65歳を過ぎても働いていた。しかし─。

 昨年秋のことだった。当時、週の勤務時間は短いのに、やるべき仕事量はフルタイム勤務のころと同じぐらいになっていた。パートであるにもかかわらず責任も重い。

 そんなときに起きた出来事。業務上のミスが起きたのだが、それは指示どおりにやったことで、ショコラさんが責められる理由は何もない。なのに責めてきたのは他部署の30代の社員。それはお門違いでしょと思ったショコラさんは思わず強い口調で、

「私、何も聞いてません。なんでそんなことを私が言われなくちゃいけないんですか! もうやってられません!」

 辞める気持ちが固まっていたから、あんなキレ方をしたのだろうとショコラさんは振り返る。しかも仕事に関しては“やりきった感”があった。

 今年3月に退職。その日のブログにはこう書かれていた。

《抜けるような青空に晴れやかな気持ちで健康保険証や携帯を返却しに定番のヨックモックを持って職場へ挨拶に行ってきました^^》