モノを捨てて人生一変、時間と解放感も得た!

 いらないモノを処分することで手に入るのは、お金だけではない。

「まず時間に余裕ができます。ガラクタに囲まれていたときの探しもの、片づけ、掃除に費やしていた時間が大幅に減って暮らしやすいです。そして使っていないものを見るたびに生じる罪悪感や、やるべきことができていない未完了感もなくなりました」

 捨てることを躊躇しない筆子さんにとって思い出の品も聖域ではない。

「写真や手紙、子どもの作品には、過去の楽しかった体験や感情が詰まっているから捨てにくいと思います。

 でも、思い出は心の中にあるし、モノを捨てたからって自分はなくならない。過去にとらわれるより、今を充実させたいという目的がはっきりしているので捨てられました」

 紙ものや立体物は撮影してデジタル画像にして、やみくもに取っておくのではなく厳選して残せば場所を取られない。

「一気にたくさん捨てられなくても少しずつでも減っていればいい。あきらめずに続けるのが大事です」

“捨ててくれない”家族とバランスをとるコツ

「ふたり暮らしの夫はモノを捨てないタイプ。リビングの夫コーナーには私物がいろいろ置かれていますが、手を出さず共有スペースがきれいならいいと割り切っています。ストレスを感じたら自室へ行って気分をリセット!」

 筆子さんの部屋にあるのは、折りたたみ式の机、座椅子、ライト、収納箱が1つだけの徹底ぶり。他人を変えるのは難しいので、自分と相手の境界線を意識してみよう。

机と座椅子のみが置かれる、筆子さんのリセット部屋。
机と座椅子のみが置かれる、筆子さんのリセット部屋。
【写真】ストレス撃退!筆子さんのモノのないリセット部屋

捨てたあとモノを増やさないコツ
□捨てることを習慣化する
 練習を積めば、捨てることがうまくなる。

□SNSはなるべく見ない
 人の暮らしをうらやんだり、逆に手間のかかる収納テクも学ぶ必要なし! 自分と家の身の丈に合ったモノのみを入れる癖をつけて。

□収納グッズは増やさない
 あればモノを詰め込みたくなるし、収納グッズも“モノ”。収納ではなく減らすことが肝心。

□モノの置き場所を決める
 あるべき場所を決めればモノがあふれない。

節約系主婦ミニマリスト・筆子さん(64歳)●ミニマルで快適な暮らしにするための考え方や実践法をブログ「筆子ジャーナル」で発信中。著書に『8割捨てればお金が貯まる』(宝島社)、『買わない暮らし。』(大和出版)など。
節約系主婦ミニマリスト・筆子さん(64歳)●ミニマルで快適な暮らしにするための考え方や実践法をブログ「筆子ジャーナル」で発信中。著書に『8割捨てればお金が貯まる』(宝島社)、『買わない暮らし。』(大和出版)など。
節約系主婦ミニマリスト・筆子さん(64歳)●ミニマルで快適な暮らしにするための考え方や実践法をブログ「筆子ジャーナル」で発信中。著書に『8割捨てればお金が貯まる』(宝島社)、『買わない暮らし。』(大和出版)など。

(取材・文/廣瀬亮子)