ボタンを押すと「次、止まります」といった音声が流れる『バスの降車ボタン』や、実際に氷が削れる『レトロかき氷器』などユニークな商品も
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【写真】ガチャガチャ第2次ブームの“立役者”

 キン消しが第1次ブームを作り出した立役者だといい、以後、「ガチャガチャ文化は花開いていく」と小野尾さんは話す。

バンダイさんが、IP(知的財産)をガチャガチャという販路で展開したことは画期的なことでした。それ以前は、無断でキャラクター商品が好き勝手に売られている状況でしたから、バンダイさんは“黒船”のようなインパクトがあった

ハードが進化した

 実は、「ガチャガチャ」や「ガシャポン」といわれる呼称は、キン肉マンやガンダムシリーズを展開したバンダイの商標だ。

 一般的な総称は「カプセルトイ」であることから、いかにキン消しの影響力が今に続くまで大きいかがうかがい知れるだろう。

 IPをカプセルトイで展開することが一般的になる中で、'95年に第2次ブームが到来する。単色だったものが彩色され、レベルが上がったことも要因だが、「ハードが進化したことも大きい」と小野尾さんは教える。

私が働いていた『ユージン』(現タカラトミーアーツ)が、『スリムボーイ』という2ボックス一体型ガチャマシンを製造します。ガチャガチャの筐体を縦に連結できることで、スペースを取らずに100円と200円のガチャガチャなどを取り扱えるようになった

 『ディズニーフィギュアコレクション』が爆発的に売れたことで、ガチャガチャを購入する客層が大人まで広がるトレンドがここから始まる。現在、カプセルトイの筐体は、タカラトミーアーツとバンダイの2社が製造しているが(なんとPOS機能が搭載された筐体もある!)、その始まりは第2次ブームにあるというわけだ。

ガチャガチャの販売は、ガチャガチャマシンを保有する代理店が商品を各メーカーから購入するため、中にどんなガチャガチャを入れるかは、代理店の自由。そのため、ソフトを作るメーカーが増えていったという背景があります

 また、200円といった“ちょっと高価なカプセルトイ”が登場したことで、マニアな趣味を持つ大人もたしなむようになった。'90年代後半は、フィギュアをはじめとしたオタク文化が隆盛していく時期。その時流に乗るように、精細なフィギュア系のカプセルトイも登場し、人気を博すようになる。