生活保護を受給しているのに親分肌

「いわゆる“夫婦喧嘩”が派手だった。怒鳴り合い、室内から物を投げる音が聞こえたり、窓からテレビを放り投げることもあったらしい。そもそも短気な性格で“殺すぞ”と知人に凄んだり、同じアパートの住人に対する嫌がらせか、わざと大きな音を立ててドアを閉めるなど厄介者だった。そんな調子だから、いつの間にか同居女性の姿は消えていた」(近所の住民)

 別の近隣住民によると、ジャージで隠した腕には入れ墨があったというから威嚇には効果があったろう。

「昼間から缶ビールをあおるなど酒好きでした。“飲みに行こう”と友人を誘い、誘ったときは同年輩でも奢る。生活保護を受給しているのに親分肌というか気前がよく、気分が乗ると釣りに誘うこともあった」(知人男性)

 普段は愛想がよかった。

 地元で電器店を経営する70代男性は「気の利く人だったので事件には驚いている」としたうえでこう話す。

「機械いじりが苦手だったようで、テレビやDVDプレーヤーの配線を頼まれ部屋に入ったことが何度かあります。男のひとり暮らしの割には片付いていて、演歌のCDを何枚も持っていました。作業中は缶コーヒーやペットボトル飲料を出してくれ、料金2000円を請求すると“これ持ってけ”とチップ上乗せで3000円くれたんです。キレられたことはありません」

 道端ですれ違えば「どうも、どうも」と笑顔で挨拶してくれるなど感じがよかった。ただ、気になる話を聞いたことがあるという。