(7)人間関係にはケチらず投資 ペットで心身の安定を

 どケチな富裕層も、お金に糸目をつけないことがある。それは、人間関係の構築だ。

 普段は質素な手作り弁当でも、人間関係を構築するために高級レストランで食事をする、ということは珍しくない。

 家族との関係性でいうと、富裕層は大型犬を飼っていることが多いという。

お子さんが自立した50代、60代の夫婦が、コミュニケーションと日々の潤いのためにペットを飼っているケースが多い。特に大型犬を飼っている人が多く、他の調査員も大型犬をよく見たと言っていたので富裕層の共通点といえますが、なぜ大型犬なのかはナゾのままです(笑)。大型犬は屋内で飼いやすい小型犬より費用も世話の手間もかかりますが、だからこそ飼い犬のためにもまだ働くぞ、と活力にあふれている印象でした」

 米国心臓学会の研究によると、ペットを飼うとストレス軽減にも役立つという結果が出ている。ムダなお金は使わない代わりに、自身のストレスを減らし、働く意欲を湧かせてくれるペットを飼うというのも、上手なお金の使い方なのかもしれない。

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富裕層の自宅で…トラブル2選

まるで昼ドラ!女たちのドロ沼遺産争奪戦

「亡くなる直前に妻と離婚し、なんとお手伝いさんと再婚した男性。妻とお手伝いさんとの壮絶な遺産相続バトルが勃発しました。法の隙間を狙い、絵画や掛け軸など高価な調度品を、盗み出すようにお互いが奪い合っていたそうです。まさに、リアル昼ドラ!」(小林さん)

要塞のような高い塀!インターフォン故障で立ち往生

「相続税調査で伺ったお宅が、防犯目的なのかコンクリートの高~い壁に覆われていました。さらに、インターフォンが壊れていて、家の人が出てきません。塀は立派なのにインターフォンが壊れているなんて……。要塞のような鉄壁な守りなので、家の様子がうかがえず、オロオロしてしまいました」

小林義崇(こばやし・よしたか)東京国税局で、相続税調査や所得税の確定申告対応などを行い、退局後、フリーライターに。著書に元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者(ダイヤモンド社)など。

取材・文・イラスト/ますみかん