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ー 歌舞伎町を見て外国人は「ここは地獄デスか?(笑)」

 トー横キッズ、立ちんぼ、ホスト、飛び降り、頂き女子、私人逮捕系ユーチューバー……。

《歌舞伎町》と検索すると出てきたニュースのキーワードだ。これらはすべてこの1か月に起きたことである。

歌舞伎町を見て外国人は「ここは地獄デスか?(笑)」

「11月5日未明、歌舞伎町の路上でホストクラブ勤務の男性を客の女性が切りつける事件が発生しました。その十数時間後には、ビルから男性が飛び降り、その映像がSNSで拡散されました。

 13日には『頂き女子りりちゃん』が男性から騙し取った金と知りながら、その金をホスト店の飲食代として受け取った疑いで歌舞伎町のホスト2人が逮捕され、14日には“立ちんぼ”と呼ばれる売春目的の女性が客待ちをしている大久保公園周辺で私人逮捕系ユーチューバーが買春撲滅運動と称して動画を回し、名誉毀損の罪などで逮捕されました。日本のスラムと呼ばれるほど事件が多発しています」(全国紙記者)

 毎日何かしらの事件が起きる歌舞伎町。11月某日、本誌は現地へと向かった。新宿区役所通りに降り立つと、激臭が漂い道路が水浸しに。どうやら下水管が破損し、汚水が漏れ出しているようだ。周囲には「臭い」と言いながら動画を回す通行人の姿。

 においに絶えられずトー横広場へ向かうと、若者たちの集団が地面に寝そべったり踊ったりしている。缶チューハイをストローで飲む姿も見慣れた光景だ。それをスマホで撮影する外国人観光客たち。彼らの目にはこの光景がどう映っているのだろうか。

ここは地獄デスか?(笑)外でアルコール飲むのも私の国では禁止です。しかも若い子どもが飲んでいるのに誰も叱らない。オカシイデス」(アメリカ人男性)

 警察官が定期的に見回りに来ている上に、ボランティア団体なども声かけをしているが、外国人観光客には誰にも注意されないからトー横キッズたちがたむろしているように映るようだ。

 歌舞伎町の治安はここ数年で地に落ちたといわれているが、この場所に詳しいジャーナリストの渋井哲也さんはどう見ているのか。

「歌舞伎町はよくも悪くもヤクザが一定の治安を維持していました。'12年に施行された暴対法の関係からヤクザが排除されていき、統制がとれなくなっていった」

 さらに、飛び降りなどの自殺に関しても以前と変わった点をあげる。

「ちょっと前までは女の子の飛び降りが圧倒的に多く、だいたいホスト絡みでした。だけど今は男性の自殺者も多く、その意味ではホストとの恋愛トラブル以外の原因も考えられる」

 続けて渋井さんは、これまでの飛び降りの背景に触れる。

「客に借金を背負わせるホストの売り掛け問題をどうにかしないと。そのために立ちんぼの女性がいる。立ちんぼがいるから今回逮捕された『煉獄コロアキ』のようなユーチューバーや、たちの悪い人が歌舞伎町に来るわけです。

 トー横についてはこども家庭庁や東京都が対策をとろうとしているけれど、支援団体を経由して助成金を与えるだけなので、本質的な状況は変わらない」

 歌舞伎町の事件はまだまだなくなりそうにない。

“煉獄コロアキ”こと杉田一明容疑者(2023年4月)
“煉獄コロアキ”こと杉田一明容疑者(2023年4月)