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ー 忍び寄る悪徳業者の影

 国家資格の宅地建物取引士(宅建)を取る芸能人が増えている。

「11月だけでもお笑い芸人のザブングル加藤さん、元AKBメンバーでタレントの川崎希さんが宅建に合格したことを報告しています。今年の合格者数は、不動産適正取引推進機構の発表によると、40025人で、合格率は17・2%。決して遊び半分で取得できる資格ではなく、実際に川崎さんは3度目のトライで見事合格、加藤さんも昨年落ち、今年見事にリベンジを果たしています」(スポーツ紙記者)

 狭き門にもかかわらず、芸能界には意外にも宅建の資格を有するタレントが多い。

「お笑い芸人だと平野ノラさん、浅草キッドの水道橋博士さん、なかやまきんに君、ザ・プラン9の浅越ゴエさん、元『2700』のツネさんなど数多くの芸人が宅建の資格を取得しています。

 俳優だと石坂浩二さんや高橋光臣さんも。石坂さんは慶応義塾大学出身の超インテリで宅建のほかにも超難関国家資格のひとつである不動産鑑定士の資格まで所有しています。高橋さんの場合は、お父様が不動産の仕事をしていたこともあり、大学在学中に宅建を取得し家業を継ごうとしていたとか」(芸能記者、以下同)

忍び寄る悪徳業者の影

 彼らの多くは本業も順調に見えるが、こぞって資格を取得するのはなぜなのか。

「宅建芸能人として仕事の幅を広げようとしているのかと思いきや、もっと皆さん真剣に考えているようなんです。もちろんタレントの仕事につながることもあるとは思いますが、川崎さんは、実業家の顔もあり、いつか不動産業にも手を広げたいという目標のために取ったといいます。加藤さんは宅建のほかにファイナンシャル・プランナーの資格を取得するなどしていて経済の勉強もしています」

 彼らが不動産や経済について学ぶのには、ある理由があるという。

「芸能人だということで近づいてくる悪徳業者が多いんです。不動産に関しては特にトラブルを多く聞きます。芸能人というのは不安定な職業ですから、今あるお金を担保に不動産に手を出す方が多い。亡くなった樹木希林さんは多くの不動産を所有し、資産運用に成功されていました。

 ただ、これって知識がないと太刀打ちできないんですよね。特に芸人さんなんかは足元を見られるというか、TKOの木本さんのように変な儲け話が多く舞い込んでくるといいます。

 女優の高畑淳子さんは息子の裕太さんが騙されることを心配して宅建の勉強をさせたといいます。なんでも不動産取引についての専門知識を持っていれば簡単に騙されることはない、と。そうやって不動産の勉強をしているうちに宅建にまでたどり着いて一石二鳥という人が多いようです」

 知識は身を助けるとはいうものの、実際に資格を取得するには生半可な勉強では合格できない。

 芸能人たちのたくましさを見習いたいものだ。