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ー 後任の有力は蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)

「チェンジするとき、病気だったり亡くなったり、悲しいことが多かったけど、僕は元気なまんま、勇退したい」

 12月26日、「落語協会納めの会」に出席した林家木久扇(きくおう)は、2024年3月に決まっている『笑点』の勇退について、自身の心境を語った。

「2018年に桂歌丸さん、2020年に林家こん平さん、2022年には6代目円楽さんが鬼籍に入りました。木久扇さんは現在86歳でお元気ですが、54年間出演しており、世代交代ということです。今は座布団に座らず、イスを使っています」(テレビ誌ライター)

 2023年に『笑点』新メンバーになった春風亭一之輔について、演芸評論家の渡邉寧久さんは、こう評価する。

「これだけ実力のある噺家がいるということが、世間に広く知られるようになったのは、演芸界で喜ばしいニュースでした。何よりすごいのは、噺家としての本業をおろそかにしていないこと。一之輔さんは『笑点』に出演するようになっても、寄席の出演は減っていないんです」

 では、木久扇の後任は誰が就くのか?

後任の有力は蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)

美人噺家と話題の蝶花楼桃花(公式ホームページから)
美人噺家と話題の蝶花楼桃花(公式ホームページから)

「あくまで予想ですが、やはり蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)は有力です。『笑点』に新たな風を入れるためにも、女性はアリだと思いますよ。ただ、女性が加わることで小遊三さんの"エロネタ”が封印されてしまうかもしれませんが」(渡邉さん、以下同)

 ほかに可能性があるのは?

「BS放送の『笑点特大号』に出演している若手も、可能性が高いと思います。桂宮治さんも、その流れでレギュラーになりましたから」

 2016年から5年間、『笑点』に出演していた林家三平が復帰する可能性はどうか。落語に詳しいとある放送作家は、厳しい言葉を並べる。

「大喜利は、個人芸であると同時に集団芸。三平さんは最後までそれに馴染めなかった。なので、日テレ側が三平さんを降板させたとも聞いています。三平さんは降板の大義名分として"武者修行をする”と語っていましたが」

 向上心を持って取り組めば、芸は磨かれるはずだが。

「三平さんは、いいお客さんを持ちすぎなんです。彼の独演会に行くと、客は彼の芸を大袈裟に喜んでいる。芸人であれば、客から厳しくされることも、ある程度は必要なんです。でも、彼にはそれがない」(同・放送作家)

 前出の渡邉さんも、

「三平さんは、まだ修行の途中ですからね」

 と、語るだけだった。木久扇の座布団に誰が新たに座るのか気になるが、どうやら三平でないことは確かのようだ。

渡邉寧久(わたなべ・ねいきゅう)演芸評論家・エンタメライター。文化庁芸術選奨、浅草芸能大賞などの選考委員を歴任。ビートたけし名誉顧問の『江戸まち たいとう芸楽祭』(台東区主催)の実行委員長。東京新聞、デイリースポーツ、夕刊フジなどにコラム連載中。