介護は私たちプロに任せてください

ご家族の介護って、本当に大変なんです。身近な人だからこそ、感情を切り離すことが難しくてイライラをぶつけてしまうことも……。

 そんなふうに閉鎖的な環境からお互いに余裕がなくなってしまうのであれば、ぜひ第三者の手を借りてほしい。そのための介護サービスだし、私たちのようなプロがいるんですから」

 一方、深刻な人手不足が続く業界でもある。安藤さんが介護の魅力を発信するのは、そんな介護の担い手を増やしたいという思いもあるからだ。

若い人たちにとって、介護の現場がもっと身近なものになればいいのに、と思っています。ほかの仕事と比べると身近に接する機会がなく、特別に苦労が多いという話ばかり聞こえてくるから敬遠してしまうのかも。

 私の場合は、“入り口”が親戚の家、しかも子どものころで心から楽しいところだったので、そういう先入観はなかったんですけど。だから、介護職にためらいを感じている若い人たちには、そんなに心配しなくて大丈夫だよって言いたいです(笑)

 それに、介護にやりがいを感じ、熱量を持って働く人が増えれば、安心して家族を預けられる人も増える。すごくいいことじゃないですか。1人でも笑顔で過ごせる人が増えるといいなと思っています」

『介護現場歴20年。』著・安藤なつ(主婦と生活社)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
【写真】中学時代の安藤なつ、週末は伯父の介護施設で手伝い

教えてくれたのは……安藤なつ●1981年生まれ。お笑いコンビ『メイプル超合金』のツッコミ担当。ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)、介護福祉士の資格を持ち、2022年より厚生労働省の補助事業「GO!GO!KAI-GOプロジェクト」副団長を務める。

文/大野瑞紀