続いて女性ランキング3位の『パパはニュースキャスター』(TBS系)は、男性ランキングでも4位にランクイン。故・田村正和さんが父親役を務めるパパシリーズの代表作のひとつだ。田村さんが演じたのは酒癖と女癖の悪いニュースキャスター・鏡竜太郎。独身貴族を謳歌していた彼のもとに「娘」を名乗る3人の少女が現れ、共同生活を送るホームコメディーだ。

 女性アンケートでは「クールな田村正和が、おてんば娘たちに振り回される様子に大笑いした」(千葉県・48歳・女性)や「ありえない設定でコメディー色が強かったが、時折感動するシーンがあり、思い出深い」(大阪府・47歳・女性)などの声が集まった。コメントにあるとおり、同作には“ありえない設定”が満載。

 そのひとつが、母親の異なる娘たちの名前が全員「愛(めぐみ)」というもの。竜太郎は「もし女の子が生まれたら愛情の愛と書いて『めぐみ』にする」という口説き文句のせいで、全員同じになったという名前の由来も印象的。

 男性陣からは「15年前、新入社員に『愛(めぐみ)』という女性がいたので、このドラマを思い出した」(神奈川県・63歳・男性)というエピソードが寄せられている。

「若いころは生粋の二枚目俳優で“父親”のイメージがなかった田村さんですが、'80年代半ば以降、二枚目半の父親役で新境地を開きました。特にこの作品の場合は、奇抜な世界観に説得力を持たせるためにも、田村さんの“カッコよさ”は欠かせない要素でしたね」(山崎さん)

父を尊敬する娘が大ヒットの要因に

 男性ランキングの第3位は、故・石立鉄男さん主演作の『パパと呼ばないで』(日本テレビ系)。気ままな独身男・安武右京が、姉の死をきっかけに姪の千春(杉田かおる)を引き取り、子育てに奮闘するホームドラマだ。作中、千春は「チー坊」と呼ばれ、ファンから親しまれた。

杉田かおる
杉田かおる

「おませなチー坊と、それに手を焼く右京との掛け合いはお見事。脚本家のひとりに、ホームドラマの名手・向田邦子さんが名を連ねており、子どもから大人まで楽しめる作品になっています。下宿先の大人たちが育児を助けてくれたり、チー坊が『サザエさん』のワカメちゃんのような短いスカートをはいていたりするのも昭和っぽくて懐かしいです(笑)」(山崎さん)

 アンケートでも「チー坊の演技が最高」(兵庫県・65歳・男性)、「実の親子よりも仲が良く、お互いを思いやるふたりの姿になかなか考えさせられた。笑って泣ける痛快なドラマだった」(東京都・62歳・男性)など、叔父と姪の父娘物語に思いをはせる声が多く集まった。